金沢大学の山崎光悦学長は24日、金沢市役所を訪れ、2023年度に金大工学部跡地に移転する金沢美術工芸大学の跡地(小立野5丁目)を取得したいとする旨の要望書を山野之義市長に提出した。活用については、美大跡地に隣接する鶴間キャンパスと附属病院を拡充し、学生寮や健康増進機能を備えた施設などの整備を検討している考えを明かした。
現在の美大の敷地は総面積5万4840平方メートル。1970年(昭和45)年に金沢刑務所の田上町移転に伴う代替地として市に引き渡された。72年に本館棟が竣工し、その後、研究所棟や工芸実習棟などを増築。キャンパス全体の延床面積は2万7953平方メートル。建物は老朽化に加え、耐震性も不足しているため、市は移転後に解体する方針を示している。
山崎学長は跡地に学生や教職員、看護士の宿舎、地域社会の健康福祉および健康増進に関連した機能、産学連携研究機能を構想していることを伝え、「一体を文教地区として整備させてほしい」と取得を強く要望。山野市長は「市民の地面であり、地元や民間の意見も聞きながら検討したい」と述べた。市は今後、対応について協議する。
美大跡地の活用を巡っては、11月に開かれた金沢経済同友会との意見交換会で、山野市長が金大側に取得の意向を確認する考えを示していた。