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建設新聞社
2021/12/23

【東北・岩手】SMCが岩手県遠野・釜石で工場増設

 空気圧制御機器の総合メーカーとして全世界に展開するSMC(東京都千代田区外神田4の14の1 田芳樹代表取締役社長)は、岩手県内2カ所で工場の増設を立案。遠野第2工場は竹中工務店の設計・施工、釜石第5工場は大林組の設計・施工により、それぞれ着工した。
 遠野第2工場は、遠野市青笹町にある既存遠野工場の近接地に建設。構造規模はS造2階建て、延べ約2万5000平方b。一方の釜石第5工場は、既存の釜石第1・第2工場が建っている釜石市上中島町に建設する。構造規模はS造2階建て、延べ約2万4500平方bを見込んでいる。ともに来年秋の完成を目指す。
 同社は工場の自動化(FA化)に用いられる空気圧自動制御機器で国内トップ、世界でも有数のシェアを誇り、自動車や工作機械、医療、食品などあらゆる産業分野に展開している。今回の2工場増設計画は、各業界でFA化による生産性向上の取り組みが進んでおり、中長期的な需要拡大に備えて、増産に対応できる生産能力の確保を図るもの。
 なお、遠野と釜石の両生産拠点を結ぶ道路は、復興支援道路として建設された東北横断自動車道釜石秋田線が供用を開始。この効果について同社の担当者は「両工場への材料・部品供給や製品の出荷など、物流面で利便性が大きく向上した。従業員の通勤環境も改善されるなど、道路の供用は今回の建設計画に間接的にプラスの影響を及ぼしている」と回答した。

遠野東工業団地の供給拠点化を構想

 また遠野工場および第2工場の付近で、遠野市青笹町および上郷町に広がる遠野東工業団地についてSMCは今年3月、分譲用地の約30fを遠野市からおよそ22億円で購入済み。工場への材料や部品供給を担うサプライヤー企業が集積する拠点化が見込まれており、同社の担当者は「構想段階であり具体的に決まっていることはない」としているが、今後の利活用動向が注目される。

 提供:建設新聞社