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建通新聞社
2021/12/22

【大阪】大阪府市 IR区域整備計画の骨子案をまとめる

 大阪府と大阪市は12月21日、第5回副首都推進本部会議を開き、大阪・夢洲への誘致を目指すIR(統合型リゾート施設)の区域整備計画骨子案を公表した。2029年秋から冬にかけての開業、日本MGMリゾーツ、オリックス以外の20社の構成員、土壌汚染対策などに市が約790億円の負担を検討していることなどを明らかにした。今後、骨子案を確定し、府民へのパブリックコメントや説明会、公聴会を経て計画を審議、22年4月の認定を目指す。
 同事業では、夢洲に国際会議場施設や約2500室の宿泊施設など総延べ約77万平方bを整備する。事業期間は35年間(延長30年間)、事業用定期借地権設定契約で月額1平方b当たり428円を想定。事業費約1兆0800億円のうち、建設関連投資は約7800億円を見込む。
 IR事業者は、中核株主の日本MGMリゾーツ、オリックスの他、大阪ガス、岩谷産業、大林組、関西電力、近鉄GH、京阪HD、ダイキン工業、大和ハウス工業、大成建設、竹中工務店、南海電鉄、JR西日本、NTT西日本、パナソニック、丸一鋼管、三菱電機など関西地元企業を中心とする少数株主20社で構成する。
 また、付帯事業として、IR区域北側護岸で係留施設の整備、関西国際空港のポートターミナルの再整備・リムジン利用者専用ラウンジの設置、夢洲1区の太陽光発電事業などを検討する。
 今回、明らかにしたIR長期構想案では、展示施設の整備で開業後15年以内をめどに6万平方b以上、事業期間内に10万平方b以上の拡張、宿泊施設の整備で事業期間内に3000室以上に拡張、IR区域で将来的な拡張予定地約9万平方bを位置付けることなどを検討している。
 また、事業用地の適性を確保するための対策費用を土地所有者として市が負担することを検討。土壌汚染対策、液状化対策、地中障害物撤去に係る市の概算負担額は約790億円を見込む。港営事業会計で負担することとし、土地造成事業を実施して順次工事に着手。財源は起債を充て、土地賃貸収入などにより償還する。今後、22年2・3月市会に債務負担行為に係る議案を提出する予定。別途、港営事業会計にインフラ整備に要する費用のIR事業者からの負担金202億5000万円の収入を予定する。
 公聴会の実施、基本協定の締結、22年2〜3月ごろに同計画の認定申請に係る府議会・市会の同意を受けた後、22年4月ごろに同計画を国に申請する。同計画が国の認定を受ければ、23年度に土地を引き渡し、同年度以降の工事着手を目指す。

提供:建通新聞社