習志野市の2021年度第5回一般廃棄物処理基本計画策定部会が16日、市役所庁舎分室で開かれた。新たな清掃工場の整備を盛り込んだ基本計画案に対するパブリックコメントの結果について報告し、基本計画最終案を提示した上で答申案を決議する予定だったが、決議までのプロセスを巡って傍聴者からも意見が投じられる事態となり、市はスケジュールの見直しを迫られた。これにより、22年1月13日に開かれる上部組織の環境審議会における中間報告・意見聴取を経て、改めて部会で決議することを全会一致で決定。最終案で示された施策の方向性に対する異議は出なかったものの、審議会での議論によっては新清掃工場整備への影響も懸念される状況だ。
審議会および部会は、環境審議会条例に則って進められているものの、パブリックコメントの実施について審議会での議論・報告がなされなかったことや、答申案決議までに審議会の意見を聞く機会が設けられない体系となっていたことから、一部で問題視された。
今野大輝部会長(東邦大学理学部生命圏環境科学科講師)が「意思決定のプロセスとして問題があったかもしれない」との見解を示したほか、複数の委員から、審議会の委員にも意見を聞いた上で決議し、市長答申に至ることが望ましいとの意見が上がった。
パブリックコメントの結果に関する審議では、央重則委員(環境みらい)が「質問への回答になっていないものや、分かりにくい表現が散見される。市民の意見に対して丁寧に対応すべき」と語気を強めた。他の委員からも表現の見直しを求める声があり、今野部会長は「市民に分かりやすい、寄り添った表現にしてほしい」と要請。これを受け、市は「指摘いただいた部分を整理し、加筆修正を行う」と応じた。
答申案では、受益者負担による歳入について、清掃行政の施策に限定した使途とする仕組みづくりを求める方向となっている。
最終案では、芝園清掃工場の老朽化に伴い整備する新清掃工場について、市の単独施設とし、芝園3―2―1にあるクリーンセンター敷地内に建設する方針を定めた。施設規模200t/日・全連続燃焼式焼却炉の場合、標準敷地面積3万u、建築面積約5000u、2炉と仮定。
事業費については前処理施設を含む新清掃工場の建設250億円、ストックヤードなど付帯施設の建設20億円、旧清掃工場の解体10億円、現清掃工場の解体20億円と試算した。
事業法式に関し、公設民営方式やPFI方式の採用に大きな課題は無いと考えている。22年度からPFI方式の導入を検討し、24年度には方針を決定。23年度から3か年で環境アセスメントを実施し、26年度までの2か年で事業者を選定、特別目的会社(SPC)を決定する。27年度に旧清掃工場を解体。同年度から2か年で新清掃工場の実施設計をまとめ、29〜31年度の建設工事を経て、32年4月に稼働を開始する予定。現清掃工場の解体は32年度を見込む。