名古屋市交通局は2022年度、地下鉄駅の名城線・上前津駅、名城線・栄駅、名城公園駅でリニューアル工事を開始する考えだ。本格化するリニューアル工事に注力するとともに、23年度に新規着手を予定する2駅の実施設計に向けた基礎調査を庁内で進める見通し。
地下鉄駅リニューアル計画では23年度までに8駅でリニューアル改修に着手する方針を打ち出している。工事は、これまでに千種駅で開始している。実施設計は上前津駅で取りまとめ済みの他、名城線・栄駅(ホーム部)と名城公園駅を本年度内に策定する計画だ。また、栄駅(東山線・名城線)と金山駅は、20年度にリニューアル改修に向けた建築意匠の基本設計を策定している。
同局はリニューアル改修着手の基準について、設計に着手した段階でカウントすると説明。この基準でいくと、これまでに6駅で着手していることになり、23年度は2駅で設計を行っていく計画になる。23年度の設計対象駅は、リニューアル対象駅の個別設備改修計画との調整など、全体工程との見合いを庁内で22年度に検討し、決めていく見通しだ。
名古屋駅のリニューアル改修時期について聞いたところ、「後にせざるを得ない」と回答。地下鉄名古屋駅周辺では、リニア中央新幹線名古屋駅の工事が展開されている他、名古屋駅東側駅前広場整備に向け、地下街部の工事が今後始まる。地下街部の工事は、駅リニューアルと同様、夜間工事となる上、工事用動線が限られているため、同時期に地下鉄名古屋駅リニューアル工事は困難とみているようだ。
駅リニューアルは、明るく、清潔感のある快適な駅≠ノ改修する方針。19〜26年度の8年間を実施期間とし、その後も計画的に改修を行う。開業から50年以上経過した駅で、過去の大規模改修実績やリニア開業や駅周辺のまちづくりといった施策との連携を考慮して、改修対象駅を選定するとしている。改修範囲は原則、ホーム階、コンコース階、出入り口通路など、地下鉄利用者が直接目にするところ全て。
提供:建通新聞社