大阪府、大阪市、関西広域連合などが12月14日、若宮健嗣万博担当相に対して2025年大阪・関西万博関連事業に関するソフト事業や規制改革への要望を提出した。このうち、建設関連では空飛ぶクルマの飛行実現に向けた取り組みの推進や「夢洲コンストラクション」の実現への支援を含めたスーパーシティの指定とデータ連携の促進などを要望。万博の開催に間に合わせるため、国による技術的・財政支援や規制改革の取り組みの加速を図る。これらの要望事項は、政府の国際博覧会推進本部が年内にも取りまとめる「アクションプラン」への位置付けを目指す。
建設に関連する事業のうち、「空飛ぶクルマの飛行実現に向けた取り組みの推進」では、▽海上遊覧や都市と交通の不便な地域を結ぶ飛行ルートや事業性に関する課題の整理、実証実験への支援制度の創設▽離着陸場の整備に関する法整備の促進、財政的支援▽試験飛行ガイドラインの早期整備―などを求める。
「自動運転やMaaSの実現に向けた取り組みの促進」では、自動運転に関するロードマップの早期実現、レベル4の自動運転の実現に向けた技術開発への支援の他、夢洲がスーパーシティに指定された場合に、同地域内での速やかな自動運転の実現に向けた規制緩和などを要望。今後集中する工事期間中に夢洲内外の現場作業員の移動をスムーズにする狙いがある。
「カーボンニュートラルの実現に向けた革新的イノベーションの創出」では、万博をきっかけに大阪・関西の特性を生かした次世代型太陽電池、風力発電・洋上風力発電、バイオマス利活用、アンモニア発電、海水冷熱利用などの再生可能エネルギーの導入を拡大させるため、技術開発や万博会場内外での実証に向けた支援と導入の促進を要望する。
また、万博時に導入予定の電動モビリティに対するワイヤレス給電など、次世代モビリティに関する実証実験や技術開発の支援、実証フィールドの整備などへの支援を求める。
「スーパーシティの指定とデータ連携の促進」では、会場となる夢洲などのスーパーシティへの指定や、工事期間中のデータ連携基盤の活用による効率的な建設工事の仕組みとなる「夢洲コンストラクション」の実現への支援などを要望。
この他、万博来訪者の関西広域、日本各地への周遊・滞在に向けた「広域観光ルート」の整備・充実のため、海や河川を活用した周遊ルートの開拓や旅客ターミナルの整備、利便性の向上・交流の促進に向けた取り組みへの財政支援を求める。
提供:建通新聞社