千葉市は15日、DBO方式による「南部浄化センター下水汚泥固形燃料化事業」の実施方針と要求水準書案を公表した。下水道終末処理場の南部浄化センターの老朽化した焼却施設の更新に合わせ、60wet―t/日×2炉(5号燃料化施設、6号燃料化施設)を整備するとともに、燃料化施設で製造する燃料化物を燃料として利用することで、汚泥有効利用、温室効果ガス排出量削減、事業費削減などを実現する。2022年3月下旬の特定事業の選定・公表を経て、4月中旬にWTO政府調達協定対象の総合評価落札方式制限付き一般競争入札を公告し、11月中旬には落札者を決める。
落札者のうち建設事業者は、建設工事請負契約締結日から29年3月31日まで設計・建設業務を行う。具体的には、5号燃料化施設を26年3月31日までに完成させ、26年4月1日以降、1号焼却施設・2号焼却施設の撤去を含む6号燃料化施設建設に着手し、29年3月31日までに完了させる。
運営・維持管理業務について、落札者はSPC(特別目的会社)を設置し、5号燃料化施設を26年4月1日から46年3月31日まで、また6号燃料化施設を29年4月1日から49年3月31日までを期間として、運営・維持管理業務を行う。
事業場所は、中央区村田町893。建設予定地の面積は、5号燃料化施設約1590u、6号燃料化施設約1520u。5号燃料化施設と6号燃料化施設の処理方式は炭化または乾燥。処理対象物は高分子系脱水汚泥。稼働日数は1炉当たり年間330日以上。事業期間終了後も継続利用することを踏まえ、要求水準を満足する状態で市に引き継ぐ。
民間事業者の収入は、設計・建設業務と運営・維持管理業務に係る対価、燃料化物の有効利用による収入。
入札参加資格要件は、単一の企業または複数の企業で構成するグループ。
プラントの設計・建設を行う者は、機械器具設置工事に係る特定建設業の許可を受け、経営事項審査の総合評定値(P)が機械器具設置1100点以上で、市の入札参加資格審査において申請区分「建設工事」・申請業種「機械器具設置工事」の入札参加資格を有すると認定され、下水汚泥に関する自社の燃料化施設を元請けとして施工し、1年以上安定稼働させた実績があることなどが条件。
運営・維持管理業務を行う者の要件は、下水汚泥に関する燃料化施設において元請けとして1年以上運転管理業務を行った実績を有するとともに、運転経験を有する技術者を運営・維持管理開始から1年以上配置できることなど。
事業の実施にあたっては、地元雇用に配慮するとともに、積極的に地元企業の活用に努めること。
建設業務の範囲は▽土木工事▽建築工事▽機械設備工事▽電気設備工事▽その他工事=場内整備など▽撤去工事=1号焼却施設・2号焼却施設、ガスホルダー、トラックスケール、トラックヤードなど▽工事監理▽試運転――ほか。
なお、債務負担行為の設定を含め、事業に係る予算に関する議案を22年度第1回定例議会に提出する予定。