県土整備部は「建設キャリアアップシステム(CCUS)」活用工事への工事成績加点を見送る方針を決めた。当初、来年1月以降の実施を想定していたが、「まずは業界にCCUSに対する理解を深めてもらうことが先決」(県土総務課)として加点を先延ばしする。
これを踏まえ、県工事検査課は「工事成績評定要領」の一部改正を見合わせた。
建設技能者の処遇改善や現場管理の効率化を目的に、国は23年度からCCUSの活用を原則化。社会保険加入や建退共もCCUSに完全移行する。
県内業者の取り組み状況について、同部県土総務課は「活用しているところと、そうでないところの温度差がある」と説明。工事成績については「一足飛びで加点とせず、ある程度CCUSの活用準備が整ってきた段階で」と加点の先延ばしを決めた。加点時期については22年度中を模索している。
併せて、同部発注のCCUS活用工事には、費用の一部を発注者が助成。カードリーダーの設置費用や現場利用料の負担を検討する。同部は「まずは取り組んでもらうことが第一。引き続き普及に努めていく」と話している。
工事成績加点は、CCUS活用工事の評定で「創意工夫」に1点を加点(評定0・18点)し、インセンティブ効果を働かせるもの。当初は1月以降の調達工事から運用を目指していた。
日刊建設工業新聞