建通新聞社(神奈川)
2021/12/14
【神奈川】葉山町 中学校給食 3月親子方式プロポへ
葉山町は、中学校給食の実現に向け、中学校の給食を小学校の給食施設で調理し配送する「親子方式」を2023〜27年度の5年間採用することを決めた。22年3月に、中学校給食事業を行う「調理設備事業者」「給食事業運営事業者」「配送事業者」などのグループを募集するプロポーザルを公告する予定だ。22年夏ごろに事業者を決め、夏休み、冬休み、春休みの期間を活用して改修工事など準備を進める方針。葉山町には小学校が4校あり、このうち上山口小学校(上山口158)の給食施設を改修し、そこで中学校2校の給食も調理して配送する予定だ。23年4月の中学校給食開始を目指す。
22年度当初予算には、初期投資費として5400万円、5年間のランニングコストとして2億9300万円を計上する予定だ。初期投資費5400万円には、プロポーザルで選定された事業者が行う給食室の調理機器などの改修工事費だけでなく、町が22年度に発注する小学校の段差解消や中学校の荷受け室の整備などの工事費が含まれている。
今回導入する「親子方式」は暫定的な措置で、28年度以降にセンター方式を採用し「学校給食センター」を整備したい考え。建設予定地は長柄156他。敷地面積約8000平方b。20年度に示された「学校給食センター整備方針」においての施設規模は、1日当たりの調理能力が最大で2800食、稼働日数が年間190日(想定)。主体構造は鉄骨造とし、構造体安全性の分類は「官庁施設の総合耐震・耐津波計画基準」のV類とし、非構造部材耐震安全性能および設備の耐震クラスはそれぞれ同基準のB類および乙類としている。当初の整備事業費(消費税を含む)の上限額は16億1000万円。設計施工一括発注方式で事業者を選定する予定だった。今後は、暫定的に親子方式を実施している期間で学校給食センターの導入に向け検討する。
町は、21年8月に民間事業者を対象にサウンディング型市場調査を行い、「将来的に考えるとセンター方式が町にとってふさわしい」「経過措置として親子方式により中学校完全給食を実施し、経過措置終了後センター方式へ移行させる」といった意見を受けた。一方で、「23年4月からの提供では、センター方式および自校方式は難しく、親子方式が現実的」「自社所有施設からの製造・配送であればセンター方式、親子方式に比べて低コストかつ早期に提供が開始できる」との指摘もあった。こうした調査結果を踏まえ、中学校完全給食の実現に向けて暫定的な親子方式を5年間実施しながら、学校給食センターの整備を目指すことを決めた。 提供:建通新聞社