8日の県議会一般質問で蒲島郁夫知事は、空港アクセス鉄道のルートについて、改めて再検討する考えを表明した。これまで調査してきたJR三里木駅ルートに加え、原水駅ルートと肥後大津駅ルートも調査し、比較検討する方針。半導体大手TSMCの熊本進出への対応に関連して、高木健次議員の質問に答えた。
蒲島知事は、TSMCの進出で空港周辺を取り巻く環境が大きく変化しているとし、「豊肥本線の輸送力増強によるセミコンテクノパークへのアクセス向上、更には県全域の交通ネットワークの利便性向上に繋げることを目指し、追加検討する」と説明した。
追加調査は、セミコンテクノパークに最も近い原水駅で分岐する原水駅ルートと、豊肥本線の電化区間の終点である肥後大津駅から分岐する肥後大津駅ルート。各ルートの概算事業費を算出するとともに需要予測を行い、収支採算性の確認や費用便益分析(B/C)を算出。最も効率的で効果の高いルートを比較検討する。
調査期間については「三里木駅ルートの検討には1年以上を要したが、追加調査はこれまでのノウハウを生かすことで可能な限り短縮し、スピード感をもって進める」と答弁。追加調査に必要な予算は、定例会に追加提案する予定とした。
高木議員は「TSMCの操業開始や空港ターミナルビルの開業を考えると、時間的余裕はない。アクセス鉄道の整備の遅れが足かせとならないよう、一刻も早く整備に着手することが必要だ」と話し、可能な限り早期に事業化の判断を下すよう求めた。
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