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滋賀産業新聞
2021/12/14

【滋賀】彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備連絡協が開催

 彦根市・愛荘町・豊郷町・甲良町及び多賀町で組織する彦根愛知犬上広域行政組合が、彦根市清崎町(西清崎)に計画している新ごみ処理施設の円滑な整備を図るため、昨年10月に設置した「彦根愛知犬上地域新ごみ処理施設整備連絡協議会」の第5回協議会が10日、清崎町にあるグリーンピアひこねで開催された。
 同組合では、29年度(令和11年度)からの稼働開始を目指し、当圏域での暮らしに欠くことのできないごみ処理施設の建設を実現するため各種事業を進めている。
 今回の協議会では、今年9月末に業務を完了した「施設整備・造成等基本設計業務」と、「新施設建設候補地周辺の環境調査」の中間報告を説明し、意見を聞いた。また、施設へのアクセス道路として計画している彦根市道の検討状況も説明した。
 協議会は学識経験者、建設候補地(西清崎町自治会)住民代表、建設候補地周辺地域住民代表、建設候補地環境団体関係者、建設候補地関係行政職員で構成。
 地域住民と組合が、新ごみ処理施設の整備に関することや、施設周辺地域の環境保全―などについて情報の共有及び意見交換を行ない、相互の理解を深め、地域住民の安全・安心の確保につながるよう、その内容を事業に反映させることを目的に、環境学習機能や循環型社会形成機能、余熱利用、交通安全対策などについて協議する。アクセス道路については、第3回の委員会で意見が出たことから、前回から市と情報を共有していくことにした。会長は、建設候補地環境団体「快適環境づくりをすすめる会」代表の平松光三氏。
 計画している新ごみ処理施設は、▽安全・安心・安定的な処理ができる▽環境への負荷が少ない▽資源循環・エネルギー回収に優れ▽経済性に優れ▽災害に強い▽社会情勢等への変化に柔軟に対応できる施設―を基本理念に、▼可燃ごみを燃やしエネルギーを回収する「熱回収施設」(144〜147d/日)と▼粗大ごみや不燃ごみ・資源ごみを処理する「リサイクル施設」(31〜35d/日)を整備する。熱回収施設の処理方式は、他都市での採用実績が最も多い「ストーカ式焼却方式」。
 新ごみ処理施設の整備に係る施設整備・造成等基本設計業務及び環境影響評価業務の担当はパシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)。環境影響評価業務は23年(令和5年)9月30日まで。その後のスケジュールは、敷地造成実施設計を22年度末まで実施し、環境影響評価や都市計画など許認可手続きを経て23年度中に造成工事に着手。施設整備については、事業者選定を22年度(令和4年度)半ばからおよそ2年かけて行ない、24年度(令和6年度)半ばに決定。施設整備実施設計〜施設建設工事を28年度(令和10年度)末の完成を目途に行ない、試運転を経て29年度(令和11年度)中の新施設供用開始を目指している。
 概算事業費(事業方式が未決定のため、公設で維持管理と運転を単年度委託と仮定した「直営方式」による)は、熱回収施設整備費が約147億円、リサイクル施設整備費が50〜54億円で、維持管理・運営費(20年間)を含めた合計は341〜351億円と算出。直営方式以外の事業方式における概算事業費は、今後の「事業方式検討」を踏まえ算出するとしている。
 組合を構成する圏域の現在の可燃ごみ処理施設は、彦根市清掃センター(昭和52年稼働)と彦根市以外4町が利用するリバースセンター(平成9年稼働)の2施設があるが、いずれも老朽化が進んでおり、新ごみ処理の建設は喫緊の課題となっている。

提供:滋賀産業新聞