鹿児島市立病院は、医療需要の変化対応などを目的とした再整備計画に関する素案を明らかにした。本棟南側に5階建7200uの増築を見込み、そこへ既存機能の移設など終えれば本棟改修(対象3100u)にも着手する構想。64億円規模の総事業費を算出しており、増築・改修いずれも2022年度中に基本設計へ着手したい考えだ。 患者数・手術件数の増加に伴って各所が混雑する現状や医局等のスペース不足解消に向け立案。新型コロナの対応も求められる中、「感染症対策の強化と通常診療」の両立へ機能を明確化する狙いがある。
増設棟の構成案をみると、4階に既存から感染症病床(6床)を移設するほか、研修センター(3室・計400人収容可)も備える予定。2階・事務局、3階・ICU(16床)、5階・一般病床(40床)とし、1階は救急車両等の動線を確保するためピロティ形状を前提に進めていく。
本棟(8階建5万2606u)の改修では、手術室(3室)・器材庫の新設はじめ、MFICU増床(3床)など想定。患者支援の向上を見据えて関連センター機能強化も図る。
スケジュール案によると、22年度から基本設計へ着手して23年度中に実施設計まで完了させたい考え。増築棟が24年度着工〜25年度竣工を掲げるほか、改修は25年度にも着手して翌26年度完了を目標としている。
事業費内訳は、@増築39億円A改修15億円B各種設計2億8000万円−などと試算。医療機器などにも7億4000万円を投じる方針を固めている。
15日から、素案に対するパブリックコメントを実施予定。経営計画の素案も含めて1月中旬まで意見を募る。