建通新聞社(神奈川)
2021/12/10
【神奈川】藤沢市 市民会館など再整備 基本構想素案
藤沢市は、市民会館などの建て替えによる再整備を計画しており、基本構想の素案をまとめた。パブリックコメントでの意見などを踏まえ、2022年度に基本計画や民間活力導入可能性調査に着手する考えだ。
市民会館は、隣接する旧南市民図書館とともに老朽化が進行している他、バリアフリー対応などに課題があることから、再整備の方向性について検討を行った結果、建て替えを決定した。
基本構想では、基本理念や基本方針に加え、公共施設の再整備の考え方、ゾーニングのイメージ、今後の事業推進についての検討結果を取りまとめ、市民会館などの再整備を含む事業の実現化に向けた基本的な考え方を整理した。
事業では、複合化による再整備や管理運営をより効果的かつ効率的に行うために、PPP/PFI手法の採用を視野に入れ、最適な事業手法について検討する。基本構想の策定支援業務は八千代エンジニヤリング(東京都台東区)が担当。
事業対象地は鵠沼東8ノ1他、敷地面積は3万5816平方b。市民会館(1万7754平方b)、旧南市民図書館(1413平方b)、旧近藤邸、奥田公園(1万6648平方b)が立地している他、奥田公園の地下は駐車場として利用している。藤沢駅から徒歩10分程度の位置にあり、北側には鵠沼奥田線、西側には国道467号が隣接する。
複合化する施設(機能)は、市民会館、南市民図書館、市民ギャラリー、常設展示室、青少年会館、市民活動推進センター、文書館、生涯学習室、環境フェアイベントスペース、防災備蓄倉庫を予定。
複合施設の想定整備スケジュールでは、PPP/PFI手法を導入する場合、22〜23年度に基本計画・民間活力導入可能性調査、23〜24年度に事業者選定、25〜26年度に基本設計・実施設計を想定。26年度から解体に着手、27年度から建設を開始し、29年度末の供用開始を目指す。
従来(公設公営)方式を採用する場合は、22〜23年度に基本計画・民間活力導入可能性調査、23年度に設計者選定、24年度に基本設計、25年度に実施設計を想定。25年度には施工者選定により解体に着手、26年度には施工者選定により建設を開始し、29年度半ばの供用開始を目指す。
また、浸水対策施設の概略整備スケジュールは、貯留施設が22年度に基本設計、23〜24年度に詳細設計・試掘、25年度に設計精査、26年度から貯留管建設、29年度から導水管建設、31年度の供用開始を想定。雨水ポンプ場は、22年度に基本設計、23〜24年度に放流協議など、25〜26年度に詳細設計・河川協議、27年度に運転協議、28年度から雨水ポンプ場建設を開始し、31年度の供用開始を想定している。
事業対象地に設置する施設は、複合施設、奥田公園、駐車場、浸水対策施設で、各施設の配置条件は次の通り。
▽複合施設―延べ床面積は約2万1400平方bを想定。敷地外周の7分の1以上を幅員11b以上の道路、または3分の1以上が2以上の道路に面し、客用出口が面している場合は幅員8bと6b以上の道路に接する
▽奥田公園―現在の面積(1万6648平方b)を確保。分散配置は可能とするが都市計画公園(1万0170平方b)は一団で整備
▽駐車場―駐車台数300台程度の整備を想定。浸水が想定される土地であることから地下部分への整備は極力避ける
▽旧近藤邸―延べ床面積は173平方b(建築面積150平方b)、事業対象地内での曳家または解体移築も考慮
▽浸水対策施設―約8000平方b(将来の建て替え用地4000平方bを含む)。雨水ポンプ場敷地と将来の建て替え用地は可能な限り近接した位置とし、浸水対策施設は建て替え用地を含め川沿いに配置。上部に他の施設を複合化せずに配置することを優先。公園内に整備して上部(屋上部分)を公園とすることは可能 提供:建通新聞社