8日の柏市第4回定例議会一般質問で、小松幸子議員(公明党)が市立柏病院の現地建て替えについて取り上げた。小松議員は「市長は施政方針で、現在地での建て替えを進めていくとの方針を示しているが、今後、どのようなスケジュールで早期に進めていくのか」と質問。答弁に立った太田和美市長は「施政方針で表明した通り、現在地での建て替えを進めていく。事業の具体的な進め方については、担当部署に指示し、検討を開始している」と話した。
続けて、一般的な病院建設の進め方として「病院の担うべき役割をまとめた基本構想を策定した後、詳細な医療機能を定める基本計画を策定し、その後、建物の配置や間取り等の概要を定める基本設計、建物の素材や構造等を定める実施設計を行う。その後、工事の入札、発注の手続きを行い、着工することとなる」と説明。市立柏病院の場合、基本構想に該当する「市立柏病院のあり方」が2018年3月に策定されていることから、今後は基本計画を策定することになるとした。
さらに「現在地での建て替えは病院を運営しながら行わなければならないほか、敷地は広いものの空地が少ないなど、建築上の課題がある。他病院の整備状況や、病院の整備・運営に係る外部の知見を活用しながら、利用者にとってより良い医療環境を提供できる病院が整備できるよう取り組みを進めていく」と表明した。
布施1―3の敷地面積約3・36haに所在する市立柏病院は、旧国立柏病院の有償払い下げを受けて1993年7月に開院。公設民営方式で運営されている。指定管理者は柏市医療公社。
施設は▽外来管理治療棟 =RC造2階建て、延べ床面積5255・96u▽病棟=RC造4階建て、延べ床面積4323・15u▽サービス棟=RC造平屋、床面積997・62u▽医師宿舎=CB造2階建て、延べ床面積260・76u▽看護師宿舎=RC造4階建て、延べ床面積399・92u▽院内保育所=木造・モルタル造平屋、床面積99・79u▽事務棟、特別診察室ほか=延べ床面積784・11u――で構成。
主な設備はX線一般撮影装置、X線TV装置、CT撮影装置、MRI撮影装置、血管撮影装置、乳房撮影装置、骨密度測定装置。
病床数は一般200床。診療科目は▽標榜診療科=内科、神経内科、呼吸器内科、消化器内科、肝臓内科、腎臓内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、小児科、外科、整形外科、泌尿器科、眼科、リハビリテーション科、放射線科、麻酔科▽専門外来=糖尿病外来、内分泌・糖尿病外来、肝臓外来、循環器外来、腎臓外来、ペースメーカー外来、関節外来、禁煙外来、前立腺外来、側弯症外来▽その他=健診センター、糖尿病センター、不整脈センター。
1976年または78年の建築で、法定耐用年数を超えているとともに、設備の老朽化が著しい状況。現在の医療環境への対応、受療環境、災害対応も問題・課題となっている。
「市立柏病院のあり方」においては、新病院について200床を基本に検討する必要があるとし▽急性期病棟(40床)=3棟▽急性期病床(20〜25床)・小児病床(15〜20床)混合病棟=1棟▽地域包括ケア病棟(40床)=1棟――の5棟編成を仮定。 診療機能については、現在の16診療科目を前提に、さらなる充実を目指す。
現在地での建て替えにおいては、建設位置について敷地北側のA案、敷地南西側のB案、敷地中央のC案が考えられ、延べ床面積1万5000u(1床あたり75u)と仮定した場合の建築工事費に約57億円〜75億円程度と試算。
そのほか▽医療機器等整備費=約15億円▽外構工事費=約3億円▽基本・実施設計、工事監理費=約2・1億円〜3億円程度▽解体工事費=約2・9億円▽雨水対策費=約2億円▽移設・開院準備費=約1・1億円――を要するとした。