一般社団法人日本樹木医会の北陸地区協議会(林忠次会長、福井県支部長)は4日、21年度の樹木医講演会を開催した。
会場は、福井市宝永3丁目の県国際交流会館で行われた。
北陸地区の講演会は、新潟、富山、石川、福井の4県持ち回りで開催され、ことしは福井が当番県。会員や造園業の関係者とともに、一般にも呼び掛け、約40人が参加した。
冒頭、林会長が挨拶。「日本樹木医会は、ことし30周年を迎えた。この間、諸先輩のお陰で、樹木医が社会的に高く評価されてきた。全国各地に点在する巨木、老木は、緑豊かな環境づくりに、必要な緑の資産であり、緑の文化財でもある」と強調。「巨木に名木、とりわけ街路樹や、公園樹などを対象として、調査・診断し、治療や育成など、幅広く携わっている。今後も、技術の研鑚を図りながら、今協議会も活用しながら、少しでも前進していきたい」などと力強く述べた。
講師に2人を招いた。まず、樹木医でエコネットむねざね代表の宗實久義氏が、「樹木医としての取り組み事例と現状の課題」をテーマに話した。前編が樹木医として調査、診断、治療、メンテナンス、講演、啓発活動を主体に実践する役割を示した。後編は、クビアカツヤカミキリの被害に備えて、大切な視点を紹介。樹木の価値は、思い入れで決まる、などと話しかけた。
また、福井きのこアドバイザー会の笠原英夫会長は、樹木とキノコと題し、野生きのこの生態と暮らしを解説した。きのこは、森林生態系で有機物分解と、菌根形成などの働きにより、重要な役割を果たし、なくてはならない存在。地中や木材の中など、光のない世界の主役、菌類(分解者)の重要性を強調。競争ではなく、共生の世界を紹介した。
なお今企画は、日本樹木医会の新潟県支部、富山県支部、石川県支部が共催した。