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建通新聞社四国
2021/12/08

【高知】県 22年度南海トラフ対策に311億円

 高知県は2022年度の南海トラフ地震対策関連の予算見積額に前年度比5%減の311億円を見込んでいることを明らかにした。南海トラフ地震対策本部会議で説明した。高知警察署の整備や南国日章工業団地の造成が進展したことなどが要因で、土砂災害の対策や建築物の耐震化は前年度より大幅に増加している。また11月26日に閣議決定した国の経済対策分は反映させていない。
 各部局別の見積額を見ると、土木部で前年度比5億円減の188億円を要望。浦戸湾三重防護に19億7100万円、河川・海岸堤防の耐震化に40億2800万円、土砂災害対策のハード整備に20億9300万円、四国8の字ネットワークの直轄工事負担分に45億2100万円、橋梁耐震対策に18億1300万円、法面防災対策に17億8500万円などを見込む。見積額以外に、12月補正予算案で国の経済対策を反映した公共事業費を追加計上する。
 教育委員会では、清水高校の新校舎建築工事などに5億8398万円を計上、安芸中・高校の新築工事の現年度分には11億以上を投入する。保育所・幼稚園の高台移転への補助には1億7167万円を見込み、宿毛市と田野町の取り組みを継続支援する他、新規で香南市の移転に債務負担行為を設定する。
 健康政策部は、水道施設整備事業費に1億0227万円を要求し、災害時の応急給水・応急復旧対策を進める市町村の取り組みを支援する。医療機関への耐震化支援には1億7316万円を投入する。子ども・福祉政策部では療養病床の転換への上乗せに3億2906万円を計上し、耐震化などを助成する。
 農業振興部では、ため池の耐震化に20億1407万円を要望し新規6地区を含む15地区20池で実施予定。地すべり対策は3億7379万円で4地区5カ所で実施、県有施設の耐震化として畜産試験場の単雄種鶏舎建て替え工事などに3億0699万円を見込む。
 林業振興・環境部は地すべり防止工事に4億9051万円、牧野植物園「長江圃場」の一部高台移転に向けた敷地実施設計などに6108万円、牧野植物園新研究棟建設の現年度分に8億8027万円を計上する。
 水産振興部では防災拠点漁港の岸壁耐震強化や防波堤補強などに1億5750万円、内水面漁業センターの高架水槽棟と機械棟の耐震改修に5984万円を要求する。
 警察本部は、宿毛署の高台移転に5717万円を計上し実施設計や地質調査を進め、室戸署の高台移転に1億3265万円を充て造成工事に着手する方針。
提供:建通新聞社