湖南市は、三雲にある児童福祉施設「三雲児童館」について、今後の施設のあり方検討を行う方針だ。
主な検討内容は、老朽化が進む施設の整備方針で、現施設の内壁の剥離や外壁塗装剥がれ等を修繕する改修工事及び耐震補強を施し今後も利用していくか、まちづくりセンターなどの他施設へ統合・複合化するといった様々な案の可能性・現実性を調査し、総合的な視野をもって最良の整備案を地域に提案する考えだ。
三雲1126番地にある同児童館は、敷地1028・54平方b内に、S造平屋建、610平方bの施設がある。内部には幼児向けのおもちゃの部屋などを設置しており、比較的子育て世代に多く活用されている。昭和55年建設で老朽化が著しく、地域の避難所に指定しているものの安全性を疑問視する声などが地域から上がっていたことから去る5月に耐震調査を発注、日匠設計(湖南市)に委託し、今月下旬の完成に向け業務を進めているところ。
児童館は、児童福祉法に基づき、子どもたちに健全な遊びを提供し、心身の健康増進・情操を豊かにすることを目的に設置されたもの。総務省公表の公共施設状況調査結果によると、県内の児童館は6年(平成18年)時点では49施設あったが、17年(平成29年)には20施設となっている。これは、県内各自治体による施設の集約・除去によるもので、今後も減少していく可能性がある。
関連して、市内の幼稚園・保育園・学童保育所や児童館を含む子育て支援施設の状況を見ると、約40%が建設から30年以上経過しており、建物や設備等の老朽化対策が課題と市は認識。幼稚園・保育園は認定こども園へ、学童保育所は、校内の余裕教室への機能移転を行うなどの、コストを抑えた対策・方向性を既に示している。
公共施設全体で見ると、高度経済成長期に集中的に整備してきたことから、築30年以上経過している施設が多く、老朽化率は全体で54・5%を占めている。市民サービスの持続及び継続可能なまちづくり実現のためには、維持管理費や更新費用の減額の基となる「公共施設総量」を削減していかなければならない状況下にある。このことから、過年度に総合管理計画を策定し、40年間で7万3000平方bを削減することを目標と定めた。
提供:滋賀産業新聞