建通新聞社(神奈川)
2021/12/07
【神奈川】横須賀市 年度内に都市公園整備・管理方針
横須賀市は、公園利用ニーズの変化や、公園施設の老朽化などの課題に対応するため、今後の公園整備・管理の方向性を示した「都市公園の整備・管理の方針」を策定する。取組期間は2022年度から26年度までのおおむね5年間。これまでにまとめた方針(案)によると、市内の公園の中でも顔となる追浜公園など「4大拠点」や、「サテライト公園」ではリニューアルに向けてPark―PFIなどの積極的な導入を検討する。また、点在する街区公園などを効率的、経済的に維持管理するため、一定範囲の複数公園の清掃業務や植物管理業務などの個別業務を一つにまとめて委託する、「包括的民間委託」の導入の可能性を検討する。21年度中に成案を策定する。
横須賀市では20年度末時点で、536カ所、約572fの公園を整備・管理している。しかし、設置から30年以上経過した公園が半数を占め、遊具やベンチなど公園施設の老朽化が進んでいて、効率的で効果的な更新、改修が必要となっている。方針(案)では今後、公園施設の計画・設計・工事・管理にとどまらず、健康・福祉・教育・経済・環境・観光・まちづくりなどの課題解決に貢献する公園づくりを目指すとしている。
市内の公園については@「拠点となる公園」A「サテライト公園」B「街区公園等」―に分類し、公園のレベルに応じて整備・管理の基本的な考え方を提示した。
まず、「拠点となる公園」の中でも市の顔となる公園は「4大拠点」と位置付け、公園だけでなく、周辺施設と一体となった公園づくりを進める。「4大拠点」は、北部が追浜公園、東部が三笠公園・猿島公園・ヴェルニー公園、南部が久里浜1丁目公園・くりはま花の国・ペリー公園、西部が長井海の手公園・荒崎公園。顔となる公園として適切に維持するとともに、必要に応じてリニューアルを検討する。それぞれの拠点が公園ごとのポテンシャルを最大限発揮させ、公園だけではなく周辺施設と一体となったにぎわいや魅力の創出を目指す。施設の更新と合わせ、公園内をより有効に活用するため、官民連携手法の導入を検討する。
追浜公園(横須賀スタジアム)については、追浜駅の再開発事業や交通結節点機能強化に合わせてまちのにぎわいを創出するため、施設の充実を図る。長井海の手公園の区域拡張では、宿泊機能強化・交流拠点機能拡充に向けPark―PFIを導入した整備を進める。猿島公園の安全対策などの実施により、多くの人が近代化遺産を周遊できる環境の整備を推進する。
その他の「拠点となる公園」は田浦梅の里、平和中央公園、しょうぶ園、大津公園、佐原2丁目公園など24公園(県立公園2公園を含む)。公園が持つポテンシャルを生かし、地域を特徴付ける個性的な公園を目指した整備を進める。遺構などが保全されている公共施設跡地の活用方法を検討する他、指定管理公園の管理事務所や駐車場で太陽光パネルなど再生可能エネルギーの導入を推進。三浦半島唯一の第3種公認陸上競技場(不入斗公園)、テニスコート、サッカーグラウンドの改修を行う。
「サテライト公園」について見ると、走水水源地公園で景観を活用し、地域の魅力を高める手法を検討。(仮称)長坂緑地の一部で里山的環境の再生・保全、活用手法を検討する。また、リニューアルや改修を行う際、雨水貯留浸透施設の整備を検討する。
「街区公園等」は地域ニーズを踏まえて公園機能を再整備する。まず、対象区域を設定し、区域内の公園の現況、地域住民のニーズを調査し、機能の集約・選択の方針を決めた上で、具体的な設計を行い、工事を実施する。廃止予定のプール跡地は、周辺地域の既設の公園施設と一体として再整備を検討する。
公園施設の適切な改修・更新を進めるため、公園施設長寿命化計画を改定する。安全で安心な公園づくりに向けては遊具、トイレなどの改修の際に段差解消、スロープの設置などバリアフリー化を図る。
管理の面からは、「4大拠点」で効率的かつ魅力を感じる公園マネジメントを行うため、民間活力の導入手法を検討する。リニューアル計画で、PFI事業(事業契約)や指定管理者制度(指定)、Park―PFI(許可)など、官民連携手法の積極的な導入を検討する。提供:建通新聞社