島田市は、10月26日に行われた初倉地区の学校再編に関する「第4回小中学校再編方針検討委員会」で、保護者や地域住民らの統合に関するアンケート調査や協議内容を踏まえ、小中一貫校の「校舎一体」「校舎分離」「当面現状のまま」(校舎の長寿命化が必要となる時期もしくは小学校で単学級学年が発生する見込みとなった時期)の3ケースを提示し、保護者や地域住民に対して改めて意見を求めていきたい考えだ。
アンケートは初倉小、初倉南小、初倉中と地区内の保育園・こども園の保護者世帯、保護者世帯を除くランダムに抽出した世帯を対象に実施。統合の形態や時期などの希望を質問し、730世帯から回答を得た。
回答では、統合の形態は小中学校を別の敷地に1校ずつ配置する「校舎分離」が60・5%、小中学校を同一の敷地に一体化して配置する「校舎一体」が39・4%だった。
保護者の6割強からは「校舎分離」を望む声が多かった一方で、学区ごとでは、初倉小区の保護者を除く地域住民からは「校舎一体」を望む声が53・1%と過半数を上回った。また、統合の時期は「新校舎ができる時期」「小学校で単学級学年が発生する見込みとなった時期」「校舎の長寿命化が必要となる時期」などのうち、「新校舎ができる時期」が56・58%と高い割合を示した。
調査結果を議論した委員会では、アンケートで統合場所や予算、児童・生徒の人数、改築・長寿命化の条件などを示していなかったため、回答結果に影響があった可能性も考えられるといった意見があった。そのため、改めて面積や校舎開校時期などの情報やメリット、課題などを盛り込みつつ、「校舎一体」、「校舎分離」、「当面現状のまま」の3ケースを挙げ、意見を問う方針だ。
今後は、12月に開催予定の第5回の検討委員会、2022年1月にかけて行う再編方針の検討結果を踏まえ、検討委員会から提言書の提出を受けて教育委員会で協議し、2月には方針を固めたい考え。
初倉地区では、21年4月に湯日小と初倉小を先行して統合した。将来的には初倉南小とも統合の上、初倉中を含めた小中一貫教育校の検討を進めている。
校舎の長寿命化を行う目安は建設から40年程度とされているが、市内の小中学校は1975〜85年ごろに建設が集中しており、「当面現状のまま」の場合、長寿命化への優先順位の関係で改修の時期が延長となる可能性がある。「校舎一体」の場合は、土地収用を含み76億円を超えると見込まれる多額の建設費用などが考慮すべき点となってくる。
提供:建通新聞社
(2021/12/3)
建通新聞社 静岡支社