県土整備部が「建設キャリアアップシステム(CCUS)活用工事」の適用検討に入っている。工事成績評定への加点を考えており、来年1月以降に調達公告する工事から実施。CCUSの活用普及に本腰を入れる。
技能労働者の処遇改善と現場の生産性向上を目的に、国は2023年度のCCUS完全移行を目指しており、活用工事は直轄工事をはじめ全国的に広がりを見せている。
他都道府県では約半数が総合評価に加点するなど企業評価にCCUSの導入を検討。同部も普及に向けた取り組みを強化するため、活用工事の実施に踏み切る。
同部県土総務課の説明によると、適用工事は、同部が発注する建設工事。「発注者指定型」は土木一般A級対象(4000万円以上)の中から各発注機関が年間3件程度を実施する。「受注者希望型」は受注者側が希望する全工事。
CCUSを導入した工事には、工事成績評定の「創意工夫」に1点(評定は×0・18)を加点し、インセンティブ効果を働かせる。
また、導入費用については発注者が負担することとし、カードリーダーの設置費用やカードタッチする現場利用料を変更契約で対応する。
今後、同部は活用工事の実施要領を策定するほか、県工事検査課が工事成績評定要領を一部改正。22年1月1日以降に公告する工事から運用する。
建設業振興基金のまとめによると、10月末現在の県内CCUS登録数は、技能者2416、事業者412(うち一人親方除く332)。全体の登録率は、それぞれ2割弱にとどまっているとみられる。
日刊建設工業新聞