高知県は建設業活性化検討委員会(委員長=磯部雅彦高知工科大学学長)を開き、建設業活性化に向けた新プランの最終報告案を固めた。人材確保策や生産性向上のための2023年度までの数値目標を定め、建設業の魅力発信強化や外国人材確保策など優先する取り組みを示した。
数値目標では、建設業者へのアンケートで「雇用したいが応募がない」回答率を20年10月の85%から23年10月に65%、「女性技術者を雇用したいが応募がない」回答率を60%から40%に減少させることを目指す。高校生の建設業への就職者数は、20年3月の102人を24年3月に110人と設定。高校卒業者数が減少しており、就職者数の目標は微増にとどめた。外国からの雇用人数は20年10月の310人から23年10月に380人への増加を目指す。
こうした人材確保に向け、建設業魅力発信の強化で会員制交流サイト(SNS)を活用した取り組みを進める。既に建設業協会ではインスタグラムを開設し、YouTubeに動画「現場の力飯」をアップするなど、若年層へのアピールを始めている。
児童生徒や保護者へのアプローチでは、出前授業や現場見学会、普通高校も含めた進路指導担当教員や保護者への説明会開催などを行う。県では8月に開催予定だったが新型コロナウイルスの影響で中止した「土木工事1日体験」について、11月に安芸会場で開催したことを報告し、今後も実施していく方針を示した。
外国人材確保策では、現在実習生の就業できる範囲が限定されているため、多くの職種で働ける制度改正を国に政策提言し、外国人材の活用方法について大手ゼネコンに聞き取るなどの活動を行っている。
女性活躍の支援策では、県が経営審査または総合評価で女性雇用の優遇制度の検討や、働き方改革研修で女性の就業環境で配慮する点について周知することなどを挙げた。
生産性向上への取り組みでは、現在進めているICT測量機器やソフトウエア導入の補助金対象をコンサルタント業者に拡充することを検討し、県内全域でICTの活用モデル普及を目指す。
新プランは検討委員会や12月県議会での意見を踏まえ最終案を一部修正し、22年2月までに最終決定する。
提供:建通新聞社