若手の担い手不足が深刻な建設業界の活性化を目的に徳島県西部総合県民局県土整備部が企画した、県立つるぎ高校の生徒と地元建設業者との意見交換会がつるぎ高校で開催された。進路選択を始める同校建設科2年生23人と管内建設会社8社の代表者・若手社員16人が参加した。
建設業は「疲れる」「肉体労働」と多数の生徒がイメージしており、業者側は「そういうイメージは当然だが、以前と比べると業界はICTへシフトしている。力仕事だけでなくなっている」と最近の動向を説明。生徒からの「やりがい」についての質問には、「スケールの大小に関わらず後世に残る」「達成感がひとしお大きい」「地域に感謝される」など個々の経験や意見を語った。
休日については8割の生徒が「週休2日は欲しい」としたのに対し、業者の一部は「昨年度まで隔週だったが、本年度から完全週休2日を実施している」と回答した他、若手社員数名が実際にどのような仕事をしているか、1日のスケジュールを具体的に説明した。
一方、生徒に対する「何を重視して分野や就職先を選択するか」の問いから、「給料、会社の雰囲気」を重視し、「休みがとりやすい会社」を希望することが分かった。
生徒から「就職しても、仕事を続けていけるか」の問いに、若手社員からは「すごく不安だったが、やってこられた。気さくな同僚と会社がそういう環境を作ってくれた」「最初は職人かたぎでそう思っていたが、実際は違った。フレンドリーだった」「父親と同年代の人と働いているが、気さくに話している」と、入社時からの現状を語った。若手女性社員に対する「女性でも活躍できるか」の質問には、「ドローンの操縦をしているが、力仕事ではない。女性の目線だから伝えることができる。育児をしながら働ける環境も構築されている」と自社の制度を紹介した。
意見交換後、県建設業協会青年部会長の立場で出席した西尾周平氏は「生徒の本音が聞けて有意義だった。意見を業界にフィードバックし職場環境を少しでも改善したい」と感想を述べた。
提供:建通新聞社