福井県道路メンテナンス会議は26日、新技術を活用した橋梁点検の実演を行った。福井県内の道路管理者ら約20人が参加する中、画像計測ソリューションや点検ロボットカメラを用いた橋梁点検デモンストレーションを実施した。
午前中は福井市開発3丁目地係の国道8号開発2号溝橋で、「デジタルカメラを用いた画像計測ソリューション」を活用した橋梁点検を行った。この技術の対象部位は溝橋(ボックスカルバート)、上部構造(床版)、下部構造(橋脚、橋台)で、変状の種類はひびわれ、床版ひびわれ。デジタルカメラで撮影した画像を直接タブレットPCに画像を取り込むことで、リアルタイムに確認用合成画像を生成し、取り漏れがないことを確認しながら撮影。撮影後には、高解像度合成画像を生成し、そこから自動でひびわれを検出および幅計測する。
デモンストレーションでは、実際に参加者が企業の担当者から説明を受け、撮影を体験。簡単な操作で、作業効率や安全性が向上することを実感している様子だった。
午後からは、永平寺町松岡吉野地係の中部縦貫自動車道(国道158号)松岡オンランプに移動し、「橋梁等構造物の点検ロボットカメラ」のデモンストレーションを実施。対象部位は上部構造、下部構造、支承部、路上、箱桁内で、変状の種類は腐食、亀裂、ひびわれ、床版ひびわれ、変形・欠損、漏水・滞水となっている。同技術では、近接するための足場や脚立、梯子、ロープアクセス等を必要とすることなく、点検員が離れた場所よりカメラで視準して点検することが可能。操作端末に表示した点検画像に対し、疑似的なクラックスケール、L型スケールを点検者の操作で表示することができ、損傷の大きさを定量的に計測することができる。
今回の研修について、近畿地方整備局福井河川国道事務所の福島克章副所長は「道路法の改訂に伴い、橋梁点検については新技術等の併用を推奨している。良いところをしっかり学び、ぜひ積極的に取り入れてほしい」とし、省力化やコスト縮減に向けた活用に期待を込めた。