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西日本建設新聞社
2021/11/11

【熊本】産学官連携し舗装実習 5校170人参加

 実際の現場を再現するなどしてものづくりの達成感を高校生に伝えようという「建設業ナイストライ」(舗装実習)が2日、熊本市南区の熊本県建設技術センターであった。熊本工業高校、玉名工業高校、小川工業高校、球磨工業高校、天草工業高校の1・2年生約170人が参加。県主催で、県道路舗装協会(岩本敏則会長)が指導・運営にあたった。各企業や団体等が学校単位で実習に協力する取り組みはこれまでもあったが、産学官が連携して大規模に現場実習を開催するのは県内初の試み。
 開会式で、県土木部監理課の松本伸也主幹は「学校ではなかなか学ぶことができない土木の現場を、しっかり体験してもらいたい」と挨拶。県高校教育課の米村祐輔審議員は、道路舗装協会の会員企業に対して「舗装の知識・技術をご享受いただき、社会人・技術者の先輩として、豊富な経験を生徒達に伝えてほしい」と頭を下げた。
 道路舗装協会の小笹康博副会長は「きょうは、見て、触って、乗って、学んでもらいたい」と生徒達に笑顔で呼び掛け、更に「ここでの体験をこれから先の進路に結びつけ、我々の企業に入って再会することができたら嬉しい」と話した。
 会場には、▽舗装実習▽3Dスキャン測量▽情報化施工機器転圧管理▽ブレード3Dマシンコントロールバックホウ▽安全VR現場―の五つの体験コーナーを配置。建機レンタルのアクティオが全面協力し、最新の建機・測量機器等の資機材を準備した。
 高校単位でコーナーを巡り、現場作業や安全管理、最新技術などを学習。舗装実習では、建設技術センターの駐車場で路面を削り取った後に排水性舗装を施すオーバーレイ工法を、生徒達と一緒に施工。アスファルトフィニッシャーやロードローラーなどの舗装専用の建機に乗り込み、技術者の指導を受けながら実際の作業を経験した。転圧管理体験では、GNSSによる測位技術を使って、転圧回数や走行軌跡を管理する最新技術を学んだ。
 舗装実習を体験した熊本工高2年の倉光志遠さんは「学校の授業では学べない経験ができた。操作が以外に簡単でおもしろかった」と喜んでいた。玉名工高の本山幸憲教諭は「コロナの影響で現場見学などができない中、とても有り難い。生徒達は実際の現場をイメージすることができ、今後のインターンシップや、将来の進路選択に役立つと思う」と話していた。
 実習開催にあたって道路舗装協会は、座学用のDVDとコアサンプルを作成し、事前に高校へ配布。各校の生徒達はそれを見て予習し、今回の実習に臨んだ。建設技術センターでの舗装実習は、2023年度までの3年間開催する予定だという。

提供:西日本建設新聞社
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