日本工業経済新聞社(群馬)
2021/11/08
【群馬】嬬恋村が嬬恋会館の建て替えへ
嬬恋村が公共施設個別施設計画で建て替えの方針を示している嬬恋会館(三原691)について、建て替えに向けた施設計画の素案を明らかにした。施設内には、300人程度が収容できるホールや会議室や図書室などの施設を整備する。供用開始は公共施設個別施設計画に基づき2025年を予定している。そのため、22年度は全体設計および既存建物の解体設計に着手し、23年度からホール建設工事などを行う見込みとしている。
嬬恋会館は、1975年に開館したRC造3階建て、延べ床面積1345uの施設。内部にはロビー、会議室、老人娯楽室(和室)、調理室、婦人教養室(和室)、図書閲覧室、図書学習室、ホールなどがある。地域公民館の拠点施設として、45年以上社会教育活動に密着した施設として活用されてきた。完成から年数が経過したため施設が老朽化。壁のクラック、外壁の損傷、3階大ホールの雨漏りなどが見られるほか、バリアフリー化に対応していない。また、14年度に実施した耐震診断の結果、耐震性に問題ありと判断され、改善が急務となっていた。
現時点では、22年度にプロポーザル方式により業者を選定し、設計を完成する予定としている。その後、23年度に現在の嬬恋会館を利用しながら連携する棟の改修と新施設の建設に着手。24年度に嬬恋会館を取り壊し、新施設の工事を完了させるスケジュールを見込む。
建て替え場所は、東部地区(三原)の振興面への影響や、嬬恋高校(三原482−1)、東部小学校(三原679−3)など教育施設が集約されていることから、現在の嬬恋会館および商工会事務局、環境省の事務所が位置する場所を予定。加えて、連携棟として東部小との併用活用も検討している。
館内施設は、300人規模のホールを設けるほか、最大規模15人、9人、4人の事務室と、最大60人規模と40人規模の会議室をそれぞれ配置する。さらに、和室、図書室、調理室、サークル活動室、飲食スペースなどを予定。なお、施設は防災拠点となる機能を有するとしている。
また、地域の特性に合ったクリーンエネルギーを最大限に活用すると同時に、県産木材を利用するため、設計段階から考慮していくとしているほか、バリアフリー化についても十分考慮し設計に反映させる。
駐車場は、現在の会館前駐車スペース内にある東部小のスクールバス停車場を学校校庭内に移設するとしており、新しい建物の配置により、既存の300台に加えて40台程度の駐車スペースを確保する予定。さらに、大規模な催し物の開催を想定し、周辺の公共施設の再編を行い、駐車スペースの確保や休憩施設、緑地帯等の検討を行うとしている。