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建通新聞社(神奈川)
2021/11/08

【神奈川】川崎第3京急ビルに若者文化発信拠点

 川崎市は、官民連携事業により、京急川崎駅前の川崎第3京急ビル(約1100平方b)を、ストリートダンスなどを日常的に練習できる「若者文化創造発信拠点」として整備する計画だ。京浜急行電鉄から市が川崎第3京急ビル全体を借用した上で、公募で選ばれた民間事業が施設を整備・運営する。事業期間は2024年度末まで。11月に民間事業者を募集し、12月に選定。22年4月から整備工事に着手し、夏ごろに開設する予定。
 整備内容は、「若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備に関する基本計画」に位置付けられたコンテンツのうち、ダンスの他二つ以上とし、併せて自立的運営が可能となるよう収益性のあるコンテンツの整備も可とする。市は建物を提供する他、整備・運営費の一部(24年度までで総額約1億円)を補助し、民間事業者が施設の整備、管理運営、情報発信などを担う。京急第3ビルは今年3月まで使用していた建物で空調設備などを含め一部居抜きで活用できるという。
 当初、市では京急川崎駅西口地区再開発の動向を踏まえて、川崎第1京急ビルの2階部分(約3200平方b)の活用を考えていたが、京浜急行電鉄と相談した結果、川崎第3京急ビルの方が活用しやすいことから、川崎第1京急ビルの活用を見送った。パリ五輪2024大会でブレイキンが採用されたことも踏まえ、日常的に「若者文化」を体験できる施設として整備し、体験機会を創出するとともに、競技者のレベル向上を支援する。また、観覧空間的なものを設置することにより、市民に「技を見せる場」とする。今後の市内展開を見据えて、事業者による持続可能な運営について検証する。
 川崎市は、若者に人気のあるエクストリームスポーツやストリートカルチャーをまちづくりに取り入れようと、19年度に「若者文化の発信によるまちづくりに向けた環境整備などに関する基本計画」を策定した。計画が対象とするコンテンツは、▽スケートボードやBMXフリースタイルなどのスケートパーク▽BMXレースのコース▽スポーツクライミングのクライミングウォール▽ブレイキンなどのダンスステージ▽バスケットボール3by3のコート▽パルクールパーク―など。ランドマーク的な「非日常」施設を市内に1カ所整備する他、日常的に練習ができるような比較的小規模な施設が市内にバランスよくある状態を目指すとしている。
 東京2020大会で日本人選手が活躍したことで、スケートボードをはじめとするコンテンツへの注目が集まっており、「非日常の施設」についても、社会状況の変化によっては民間事業者が自ら資金調達して参画する可能性もある。このため市は、民間事業者が自己資金により整備・管理運営を行うスキームで実施する可能性を探るとともに、「非日常の施設」の候補地をちどり公園に限定せず検討していく。 提供:建通新聞社