京都府は、住生活基本計画案について、12月にパブリックコメントを行い府民等の意見を聞き、令和4年2月議会に報告後、3月に大臣同意、計画策定を目指す。
令和2年7月に京都府知事から諮問を受け、京都府住宅審議会(会長・田光雄京都美術工芸大学工芸学部長・教授)で計画の見直し作業を進めている。
11月5日開催の住宅審に示した答申案によると、住生活基本計画案は、T・U・3の3つの重点目標と8つの目標(うち1つは横断的効果促進目標)、17の基本的な施策を掲げた。
重点目標Tは「人とコミュニティを大切にする共生の京都府」(◇目標1・子育てにやさしい社会を支える住まい・まちづくり…○子育てしやすい住宅の普及促進○安心して子どもを産み育てることができる住まい・まちづくり)、◇目標2・高齢者をはじめ全ての世代が暮らしやすい住まい・まちづくり…○住み慣れた地域で自立して暮らし続けられる住まい・まちづくりの実現○高齢になっても安心して暮らせる住宅の普及促進、◇目標3・重層的な住宅セーフティネットによりすべての人が安心して暮らせる住生活の実現…○柔軟で重層的な住宅セーフティネットの構築の促進○民間賃貸ストックの活用○公営住宅、公的賃貸住宅による支援)。
重点目標Uは「地域の文化と新たな価値を伝え創造する京都府」(◇目標4・新たな日常を踏まえた地域の文化・特性を継承・発展させる住まい・まちづくり…○地域の特性・地域力を活かした取組の推進○新しい住まい方・まちづくりの推進、◇目標5・住宅ストックの活用促進と地域交流を促進する住まい・まちづくり…○良好なストックの形成と流通促進○周辺の居住環境に悪影響を及ぼす空き家の発生防止に向けた取組○良好な空き家の有効活用)。
重点目標Vは「環境にやさしく安心・安全な京都府」(◇目標6・環境に優しい社会を支える住まい・まちづくり…○環境にやさしい社会を支える住まい・まちづくり、◇目標7・激甚化・頻発化する災害に備え、府民の安心・安全を守る住まい・まちづくり…○防災・減災への取組○災害発生時における被災者の住まいに対する取組)。
横断的効果促進目標として、◇目標8・住まいに関する多様な情報の提供と住教育による府民の住まい力の向上…○住まいに関する多様な情報の提供○住教育による府民の住まい力の向上を設定した。なお公営住宅供給目標量などは「調整中」とした。
賃貸住宅供給促進計画案では、住宅確保要配慮者として、法令に定める低額所得者、被災者、高齢者、障害者などのほか、地域の実情に応じて追加が可能とし、新婚世帯、海外引揚者、原爆被爆者、戦傷病者、児童養護施設退所者、LGBT、UIJターン転入者、妊娠している者がいる世帯などを示した。
住生活基本計画案、賃貸住宅供給促進計画案ともに計画期間は令和3年度から12年度までの10年間。