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鹿児島建設新聞
2021/11/05

【鹿児島】県再エネ新ビジョン策定 地産地消 枕崎市が新電力会社

 県は4日、鹿児島市のマリンパレスかごしまで再生可能エネルギー推進委員会を開いた=写真=。2022年度の新ビジョン策定に向け、地産地消の取り組みを加速させることを確認し、導入促進を図る発電方式に水力、地熱、バイオマスの3分野を設定。枕崎市では、地元企業等と組んで新電力会社の設立を目指していることや畜産バイオマスエネルギー導入活性化事業では12月に調査・検証を行うことが分かった。 

 新ビジョン策定の背景には、現ビジョンの短期目標が22年度となっていることや、21年5月に成立した改正地球温暖化対策推進法で、県全体での再エネ利用促進等の施策の実施目標を定めるため、21年度内に骨子を作成する。 
 地産地消に向けた取り組みで、枕崎市は「海・山・太陽の幸が循環する2万人のまちプロジェクト」に取り組んでいる。 
 具体的には、再エネ推進や地域内経済循環を実現するための中核的組織として、市内事業者等と共同で自治体新会社を設立。公共施設や市内の大規模民間需要家に対し、市内の電力を中心とした供給を行い、電力事業の安定化を目指す。 
 さらに、市外の新電力と連携を強化して、電力供給先の拡大と市内の太陽光発電施設からの受け入れ増加を順次進め、電力事業を段階的に成長させたい考え。 
 畜産バイオマスエネルギー導入活性化事業では、バイオマスリサーチに委託して、モデル化可能な地域において、事業化の検討や事業者への機会提供に向けた環境整備(モデル化)を行う。 


■竹バイオ利用促進 
 来月上旬にも委託先選定 

 また、竹バイオマスエネルギー利用促進は発電設備の導入を促進するための方策や課題解決などを検討する業務を公募。12月上旬にも委託先を選定する。 
 このほか、長島町で小規模な潮流発電に向け、漁業関係者と話し合いが続いていることや、再エネ導入のガイドラインは9市町が作成していることも分かった。 
 委員からは「導入量の議論だけでなく、どのようにマネジメントしていくことが重要」「基礎自治体の役割も不可欠」「太陽光発電のパネルは破棄することが前提となっているが有効活用の道も探ってほしい」−などの意見があった。 
 塩田康一県知事は「エネルギーの地産地消には、自然環境との共生と地域住民の理解が課題。国の動向等を踏まえながらビジョンの見直し作業を進めていきたい」と話した。  



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