北陸地方整備局利賀ダム工事事務所が進めている利賀ダムの工事用道路のうち、河床進入トンネルが4日貫通し、南砺市利賀村押場地先の現地で関係者が工事の無事を祝った。
安藤ハザマが施工中の「利賀トンネル(河床進入)工事」の一部。将来的に国道471号利賀バイパスの一部になる利賀トンネルから分かれて、ダムサイト予定地まで下りるトンネルで、今回の貫通は、全長720メートルのうち、367メートルの区間。2020年8月に貫通済みのダム寄りの358メートルとつながった。
同工事では、利賀トンネル1200メートルの掘削・覆工と河床進入トンネルの掘削、コンクリート舗装が行われる。工期は23年3月まで。
この日は、利賀ダム工事事務所の職員や、施工者など約50人が見守る中、最後に残っていた約2メートルの岩盤にブレーカーを使って穴を開けた。安藤ハザマと協力会社の木部建設の代表者3人が、貫通点に酒をまいて清めた後、記念撮影や貫通石拾いも行われた。安藤ハザマの籾山雅彦現場代理人は、「貫通掘削は工事の1つの節目になる。分岐部の覆工コンクリートなど、次の山場に向けて労働災害が発生しなよう気を引き締めて安全施工に努める」と話している。
スケジュールでは、24年度から本体工事に着手し、基礎掘削の後、26年度から堤体工を進める。利賀ダム工事事務所の本田敏也副所長は、「貫通により、転流工工事、続くダム本体工事に着手できる準備が進むことになる。庄川流域のみなさんの安全安心のため、31年度の予定工期に向けてより一層頑張りたい」と語った。