静岡県熱海市で発生した大規模土石流を受けて県は2日、盛り土・切り土、斜面の安全確保に関する条例最終案をまとめた。一定規模の盛り土造成や斜面工作物の設置は許可制とし、中間・完了検査を実施するほか、罰則規定も設ける。
最終案は同日、開いた専門家会議で了承された。今後11月定例県議会に提案し、来年5月から施行する。
一定規模の盛り土は、2000平方b以上で高さ1b以上が対象。加えて面積にかかわらず高さ5b以上を規制対象に含めた。
一方、工作物は300平方b以上または高さ15b以上の太陽光や風力発電施設などが対象。傾斜度15度を超えて、かつ高さ5bを超える斜面地への設置に規制をかける。
また、建設発生土については土量500立方b以上の搬出は許可制にする。
盛り土や、斜面工作物を設置する行為の流れは、着工前に近隣関係者に事前の説明と、工事履行を担保するための保証金預託を義務付け。工事期間中は定期報告を求め、中間検査と完了検査も実施。施工後は盛り土の場合、10年間にわたり維持管理の状況を報告させる。
併せて、最終案には盛り土構造や工作物設置の安全を確保するため、技術的な指針を盛り込んだ。
条例案について、平井伸治知事は2日の定例会見で11月県議会に提出する考えを表明。来年梅雨入り前の5月1日からの施行を目指す。
日刊建設工業新聞