建通新聞社(神奈川)
2021/11/02
【神奈川】伊勢原市 駅北口周辺地区の再開発を検討
伊勢原市は、伊勢原駅北口周辺地区で、市街地再開発事業と駅前広場・街路の整備による一体的で計画的なまちづくりを進めている。組合施行による市街地再開発事業の進捗に合わせ、都市計画道路や駅前広場などの公共施設を整備していく方針。
事業を検討している区域は小田急小田原線・伊勢原駅北口周辺の約1・5f。内訳はA1街区約1800平方b、A2街区約3100平方b、都市計画道路伊勢原駅前線約1万0100平方b(うち交通広場約4000平方b)。A1街区には、観光交流の玄関口として低層施設(3層程度)、A2街区は暮らしを支える生活拠点として、デッキ直結の高層の都市型住宅を整備する。
同地区では1990年の都市計画決定以降、91年2月に組合施行による再開発事業に着手したが、バブル崩壊による急激な経済情勢の悪化から、事業費を賄う保留床の処分先が確保できず、2004年3月に事業中止となった。
市では、玄関口にふさわしい中心市街地に向け、15年度に伊勢原駅北口周辺地区整備計画を作成。改めて北口整備に向けて動き出し、18年度からは住宅施設を導入した再開発事業の事業成立性について検証、企業ヒアリングの結果、複数の民間事業者の強い参画意向も確認できたことなどから、新たな再開発事業の実施を進めていくことになった。
04年に事業中止となった際、市が再開発組合に事業費を貸し付けていたが、住宅施設を導入する施設モデルに対して、民間事業者の強い参画意向もあり、市として新たな駅北口地区のまちづくりを進めるため、9月議会で債権を放棄することを議決した。
今後の事業スケジュールは、21年度内に準備組合を設立、22年度に都市計画決定、23年度本組合設立、24年度に権利変換認可、25〜28年度に既存建物除却と整備を想定。準備組合の段階で事業成立の要となる保留床の売却先を担保するため、民間事業者を事業協力者として協定を締結する。提供:建通新聞社