彦根市は今年度、金亀町地先の「彦根城博物館」において、来館者の鑑賞環境の向上を図るため、美術作品や文化財を収蔵する展示ケースへの低反射フィルムの貼付けと新たなケースの購入を行う「博物館展示ケース整備事業」に取り組む。去る9月に措置済みの補正予算に基づき、フィルム貼付の業務委託とケース購入を、いずれも11月中にも入札公告から開札し決定後業務を開始、年度末で完了させ22年度(令和4年度)から供用したい考えだ。
去る9月補正には、彦根博物館の低反射フィルム貼付業務委託料481万3千円と展示ケース購入費546万9000円から成る計1028万2000円措置。フィルム貼付の対象となるのは、彦根城博物館の館内展示スペース後半部分となる「展示室5・6」の2室に配置されている、大中小計8台の展示ケース。ケースは壁面に固定され自由配置が出来ず、ガラスの反射や映り込みで鑑賞に支障が出ているため、各ケースのガラス面前面・背面の両面への透明の低反射フィルム貼り付けを業務委託する計画。フィルムは市で検討の結果、3M(スリーエム)製の商品「スコッチティント」を、発注公告の製品仕様要求に盛り込む見通し。
新たに購入する展示ケースは、間近で色々な角度から作品を鑑賞することが出来る横幅が長辺約2b、短辺約1・2b、高さが約65a(展示台部)の大きさの独立展示ケース1台を特注し製造、納入する考え。彦根城博物館の既存の展示ケースは潟Iカムラ(本社・横浜市)製で、新たに特注するケースの仕様も合わせる考え。
彦根城博物館(金亀町1番1号)は87年(昭和62年)に開館。彦根藩主・井伊家に代々伝わる美術工芸品や古文書など収蔵資料は9万1000件を超える。市では博物館全体のリニューアルも計画し去る19日、リニューアル基本計画作成の公募型プロポーザルを公告、11月26日に担当コンサルを選定する。
提供:滋賀産業新聞