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建設経済新聞社
2021/10/28

【京都】公共事業評価委員会で書面審査 栗尾バイパス、二ノ瀬バイパスは事業休止 七瀬川、三条鴨東地区は事業継続

 京都市はこのほど、書面審査を行った令和3年度第1回京都市公共事業評価委員会(委員長・廻はるよ京都芸術大学芸術学部空間演出デザイン学科教授)の内容を明らかにした。
 令和3年度評価対象事業は、道路事業の一般国道162号(栗尾バイパス)、京都広河原美山線(二ノ瀬バイパス)、河川事業の七瀬川、住宅地区改良事業の三条鴨東地区の計4事業で、平成28年度に再評価を実施した。
 審議では、事業休止とした栗尾バイパスについて、将来的な見通し、事業休止の基準を確認する委員からの質問に対し、市側は「財政的に厳しい状況が続くため、当面は事業進捗が図れないと考えている。事業を再開する際は委員会に諮ることになる」「これまで『事業休止』とする場合の明確な基準を委員会で示していなかったことから、第2回委員会で一定の基準を事務局から提案したいと考えている」と説明した。
 二ノ瀬バイパスについて、市側は「貴船、鞍馬、花背への日常生活に欠かせない主要道路であり、観光に係る経済効果、リダンダンシーの確保等の防災効果もあるが、これらは貨幣価値に換算できない便益である。どのような便益が考えられるか次回の委員会で示したい」などと説明した。
 七瀬川について、市側は「下流部の二層式河川のせせらぎ河川や遊水地の整備により、近隣住民の憩いの場になることや浸水被害軽減(浸水被害想定範囲の減少)による住民の安心感が向上するなど貨幣価値に換算できない便益はある」などと説明した。
 三条鴨東地区について、委員からは、買収が残り1件であり、事業効果を発現するためにも、買収できるまで全く進めないのではなく、できるところから進めてもらいたいなどの意見があった。
 評価委は、栗尾バイパス、二ノ瀬バイパスをそれぞれ事業休止とし、七瀬川、三条鴨東地区をそれぞれ事業継続とする市の対応方針案は妥当とした。
 今後は、令和4年1月頃に第2回委員会を開き、意見をとりまとめた上で市長に意見書を提出。その後、2月頃に京都市が対応方針を決定する。
 再評価対象事業の概要は次の通り(▽事業名(事業区間)=@延長又は面積A進捗状況B完成予定年度)。
▽一般国道162号(栗尾バイパス)(右京区京北細野町〜右京区京北周山町)=@延長L4300m、幅員W9・75m(一般部)、9・5m(トンネル部)A全体事業費85億9700万円(工事71億6800万円、用地補償7億2500万円、その他7億0400万円)のうち、令和元年度以前までに工事62億0800万円、用地補償5億4200万円、その他6億9400万円を投入。進捗率は86・6%。残りは工事9億6000万円、用地補償1億8300万円、その他1000万円の計11億5300万円B未定
▽京都広河原美山線(二ノ瀬バイパス)(左京区静市野中町〜左京区鞍馬本町)=@延長L2400m、幅員W7・5m(一般部)、7・0m(トンネル部)A全体事業費44億3700万円(工事36億9300万円、用地2億円、その他5億4400万円)のうち、令和元年度以前までに工事30億5600万円、用地1億9800万円、その他4億8000万円を投入。進捗率は84・1%。残りは工事6億3700万円、用地200万円、その他6400万円の計7億0300万円B未定
▽七瀬川(伏見区竹田狩賀町[東高瀬川合流部]〜伏見区深草大亀谷東久宝寺町[遊水地])=@延長L1095m(950m+145m)、幅員W10・80m〜15・70mA全体事業費109億5600万円(工事67億2900万円、用地16億8900万円、その他25億3800万円)のうち、令和元年度以前までに工事57億6800万円、用地16億8900万円、その他25億3500万円を投入。その後、令和2年度に2億6900万円、3年度に2億7900万円を投入し、進捗率は96・2%。残りは工事4億1600万円、用地−、その他−の計4億1600万円。令和3年度も引き続き遊水地本体工事を進める。令和4年度以降は遊水地本体工事、河川付替え工事、ポンプ設備工事を予定B令和9年度
▽三条鴨東地区(東山区若松町他)=@面積A1・26fA全体事業費103億1900万円(不良住宅除却等7億8400万円、用地76億0500万円、建設その他19億3000万円)のうち、令和元年度以前までに不良住宅除却等7億6700万円、用地62億8500万円、建設その他18億4700万円を投入。その後、用地取得を進め、進捗率は84・4%。残りは用地15億2500万円(995u)、建設その他8300万円の計16億0800万円B令和6年度