公立大学法人大阪は10月26日、第1回大阪公立大学メディア懇談会を開き、2025年に開設予定の森之宮キャンパスの概要などについて説明した。西澤良記理事長は「国内最大規模の公立大学となり、多様な学生を受け入れるキャンパスとなる。大阪市立大学学長時代から議論していたことが一つの通過点に達し、感慨深い」とあいさつした。同キャンパスはDB方式で竹中工務店・安井建築設計事務所グループが整備。実施設計と並行して埋設物などの工事を行う予定で、年内には着工する。事業費は約420億円(税込み)。
森之宮新キャンパスは、大阪城公園の緑とつながる「知の森」をテーマに整備。新学舎は鉄骨造13階建て延べ7万7100平方b。高さは最高約60b。建設地は大阪市城東区森之宮2ノ2ノ3他。敷地面積は約1万9300平方b。外装には3層ピロティを支える樹形柱、西側立面にルーバーを配置するなどテーマに沿ったデザインを計画。この他、基幹教育エリアとなる4〜5階にライブラリーを配置する。
新学舎の完成に先立ち、大学は22年4月に開学予定で、周辺の活用可能用地で先行的な取り組み(にぎわい創出のためのカフェ、スポーツDXの実証実験を行うスポーツコートなどの整備)の開始を検討する。25年度に1期整備として森之宮キャンパスを設置、27年度をめどに「1・5期」整備として民間活力を利用したキャンパスの整備を実施する。
1・5期整備では、森之宮キャンパスの敷地内に民間事業者が建設するオフィスビルに、大学が床面積8000平方bを取得、情報学研究科と産学官共創リビングラボを整備する予定。ビルの整備事業者はこれから募集する予定で、募集時期は未定だ。
西澤理事長は、森之宮キャンパスへの設置も浮上している(仮称)大阪国際感染症研究センターの整備について「予算もかかるため、まだ具体化は難しい」と明言は避けたものの、同センターの必要性を明確にするため、「共同体」との話し合いはかなり進んでいることを明らかにし、「ある時期には構想のようなものを設定したいと考えており、(構想が)ある程度固まってくれば、府市の感染症の関係諸団体とディスカッションを行い、一つのプラットフォームをつくりたい。そのときにはハード整備も必要となるだろう」と説明した。建設地などもまだ具体化していないが、「松井一郎大阪市長とは話が進んでいる」という。
提供:建通新聞社