京都府の西脇隆俊知事と京都市の門川大作市長は22日、京都市上京区の京都府公館で令和3年度懇談会を開催。コロナ共存社会における新しい京都づくり、効率的・効果的な行政運営などについて意見交換した。
冒頭挨拶で西脇知事は、これまでの府市協調の成果に触れた後、取組を進めるうえで「インフラとして道路交通網の整備、例えば国道1号バイパス、国道9号の整備などが引き続き重要」と訴えた。
門川市長は「全国トップの府市協調を新たなステージにしたい」「(府が北山エリアに整備する)5000人以上のアリーナ構想も聞いている。市においてもまちづくり構想の中で様々に相談しながら、可能な限り協力したい」などと述べた。
門川市長は地下鉄烏丸線のホームドア設置など安全対策への支援を求め、西脇知事は理解を示した。
西脇知事は、大山崎町のマクセル椛q庫跡地にアート(芸術)とテクノロジー(工学)を融合させた新産業創造や起業の拠点を整備する府のアート&テクノロジー・ヴィレッジ(ATV)構想を挙げ、京都市が京都駅東側に移転整備を進める京都市立芸術大学との連携を呼びかけ。門川市長は「文化とテクノロジーで社会的課題を解決することが重要」などと述べ、協力することで一致。また文化庁の京都移転を機に国際会議を誘致することについても協力することで一致した。
門川市長は、京都市男女共同参画センター(中京区)、京都府男女共同参画センター(南区)の将来的な共同化も含めた連携を呼びかけ。西脇知事は「お互いに一旦、再構築し、その上でどういう風に役割分担するか検討する必要がある」と述べた。
脱炭素社会の実現に向けた取組について、門川市長は「建築物の再エネ設置義務化は府市一体で取り組むことになった。一方、CO2の排出量を確認して報告することについて、市は中堅企業にも拡大した。ハードルはあるが、今の時期にそれぞれの企業もどれだけ排出しているかを自ら確認し測定しなければ削減もない。企業が生き残るため、未来への発展のため、その背中を押す必要がある。府でも歩調を合わせて進めていただきたい」と呼びかけ。西脇知事は「どういうことができるか検討していきたい」と述べた。
西脇知事は、消防広域化について「消防指令センターの共同運用は、亀岡以北の北・中部は令和6年度の開始を予定、京都市及び南部地域8消防本部では共同運用に向けた検討を実施する」と述べ、門川市長は「南部首長の期待が非常に大きいと実感している。是非とも進めていきたい。いずれ府下全域が一体的に運用されることも目指したい」と述べた。
このほか、デジタル化の課題、水道事業では京都市上下水道局の研修施設での職員研修、公営住宅のグループホームなどへの目的外使用などについて意見交換した。