垂水市が庁舎建て替え計画の白紙化に伴って設置した「庁舎等のあり方検討委員会」は21日、通算4回目の会合を開き=写真=、本館棟の耐震化に向けた意見書をまとめることで一致した。順調にいけば、2022年度当初予算にも補強計画の事業費編成、23年度中に着工する可能性がありそうだ。
これまでの会合で明らかになっていた本館棟(RC造3階建2888u、1958年建設)の診断状況などを踏まえ、各委員が耐震化に前向きな姿勢を明示。事業化する場合のスケジュール等に関する質疑が多く挙がり、事務局の市は議会了承等を前提として、22年度当初で先行業務の事業費を確保できる可能性も示唆した。
活用可能な補助金の種類も確認。補助率等の点から「地域防災拠点建築物整備緊急促進事業補助金」が望ましいとする一方、23年度中までに着手した事業を対象としており早期手続き等を求める声が多く挙がった。補強計画の策定段階で同補助金を活用する場合、12月までに要望調査の返答が必要となる。
このほか、工法も協議。工期中に庁舎機能に影響がないよう、外部補強を促す声や施設の景観を考慮して内部での耐震化を求める委員もいた。
11月初旬に開催予定の5回目会合では意見書の素案確認などを行い、尾脇雅弥市長に対して早期提出を目指す見込み。別館棟(同364u)や消防本部庁舎の方向性は次回以降に協議する。
■新庁舎建設に向けては
新庁舎建設に関しては、「既存耐震化で補助金を活用すれば規程の使用年数があるためそれまでにじっくり計画を練るべき」「将来的に人口減少が想定される中、コンパクトな施設にしていいのでは」「基金を確実に積み立てていく必要がある」と長期的に進めていく意見であふれた。住民投票で白紙になった新庁舎は垂水フェリーの駐車場跡地を建設地とし、RC一部S造4階建5908uを想定していた。