熊本県、全国治水期成同盟連合会、県河川海岸防災協会主催の2021年度九州地方治水大会が20日、熊本テルサを主会場にWEB会議方式で開催された。九州各県の治水関係者が一堂に会し、治水事業の認識を深め、国に治水事業等の推進を働きかけるのが狙い。熊本での開催は9年ぶり。
主催者挨拶で、蒲島郁夫知事は「近年、全国各地で発生する水災害は激甚化している。治水対策は生命・財産を守り、安全安心の確保に繋がる極めて重要な役割を担う。治水事業の強力な推進を政府関係者に届ける必要がある」と訴えた。
九州地方整備局の島本和仁河川部長が「最近の治水行政」について講義した。今後の治水対策として、7月に一部改正された特定都市河川浸水被害対策法等(流域治水関連法)を解説。法改正により浸水被害防止区域と貯留機能保全区域の指定、雨水貯留浸透施設整備の補助が可能となっている。
意見発表では、球磨村の松谷浩一村長が、令和2年7月豪雨の被災状況と復旧・復興の取り組みについて話した。渡地区では流域治水プロジェクトにおいて、遊水地、引堤の整備が計画されているため、治水事業を踏まえた復興まちづくり計画が進められている。
大会の最後には県の村上義幸土木部長が「流域治水の推進」「2022年度以降の治水事業予算の総枠確保・拡大」「自治体への支援、危機管理の充実」など九つの決議を読み上げた。
22年度は長崎県で開催する予定。
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