建設新聞社
2021/10/22
【東北・宮城】免震採用の6万uで計画/仙台市が新庁舎基本設計中間案を公表
仙台市は21日、本庁舎の建て替えに関する基本設計中間案を公表した。新たな庁舎はS一部RC造地下1階地上15階建て、延べ約6万平方bで計画。低層部の一部については木造化も検討している。当日行われた市常任委員会で明らかにした。
新庁舎は、現庁舎の老朽化に伴い現地建て替えで計画。基本設計は石本建築事務所・千葉学建築計画事務所JVが2022年3月31日までの履行期限で担当している。
中間案によると、青葉区国分町3の7の1ほか地内の敷地約1万4595平方b内で、現在議会棟や来庁者平面駐車場などがある敷地南西に新庁舎を配置。敷地中心部は将来的に南北に通り抜ける広場とする。構造は1階床下への積層ゴム型免震装置と減衰装置設置による免震構造を採用。地下部分はRC造で耐震壁付きラーメン構造、地上部はS造でブレース付きラーメン構造とし、1〜15階には耐震ブレースと制振装置による耐震コアを設ける。
環境計画は、設計段階でのZEB ReadyおよびCASBEE Sランクの取得とし、地中熱や太陽光パネルといった再生可能エネルギー、自然通風・自然採光の活用、全熱交換器・ヒートパイプ、高断熱・高性能材料の活用などを明記。施設運用段階でのNearly ZEB取得も目標としている。
フロア構成は、地下1階が駐車場、3階が設備フロア、4階が災害対応および行政機能、5〜13階が行政機能、14・15階が議会機能で計画。屋上部にはヘリポートを設ける。また、1階と2階の低層部は情報発信機能および市民利用機能を設け、敷地内に別棟で設ける市民利用・情報発信機能スペースや庁舎南側の市民広場などと連携。低層部については現在、公民連携による利活用を検討している。
事業費は設計・建設費385億円、付帯・備品等費29億円、その他費用58億円の計472億円を想定。新庁舎については来年度から約2カ年で実施設計を作成し、24年度中から27年度中の3カ年での1期工事実施、28年度の新庁舎供用開始を予定。駐車場や低層部などを整備する2期工事は29年度から着手し、30年度の全体事業完了を見込む。
また、関連して現庁舎については22年度に議会機能を移転した上で23年度から議会棟および低層棟を解体。新庁舎供用開始後の28〜29年度で高層棟と北側駐車場を解体する方針だ。
提供:建設新聞社