福知山市は21日、「(仮称)まちづくり構想 福知山」の素案について、市民意見の募集を開始した。意見提出は11月11日まで。
まちづくり構想は、@長期ビジョン(2040年(令和22年)の将来像)と、A市が取り組むまちづくり(施策の体系)、B市民が取り組むまちづくり(市民懇談会の21の提案)の3つのパートで構成する。
国立社会保障・人口問題研究所の人口推計を踏まえ、福知山市の人口は2020年(令和2年)から2040年(令和年22年)にかけて7万7420人から6万9098人へと8322人減少すると見込むが、推計を上回る人口7万人台を維持すべく施策に取り組む。
長期ビジョンでは、市民が幸せを生きるための将来像として、「ほどよい距離感で、さりげない支え合いに幸福を感じるまち」「多様性や個性を尊重し、自分なりに歩めるなかに幸福を見いだすまち」「いつでも前向きに、お互いを高め合うことで幸福を呼びこむまち」「チャレンジ精神にあふれ、努力と創意工夫を重んじて幸福をつなげるまち」などを定めた。
施策の体系では、今後5年間(令和4年度〜8年度)で政策目標を達成するために市が取り組む方策を施策として示した。
建設関連の主な施策は、▽持続可能な公共交通の制度設計・運営▽良質な住宅ストックの形成と移住促進▽地域防災力の強化と減災対策の推進▽消防・救急体制の充実▽エネルギーの地産地消の推進▽廃棄物の適正処理と循環型社会の形成▽豊かな自然環境の保全と活用▽景観の創造と保存▽多文化共生とユニバーサル社会の推進▽文化財の保護・活用と地域文化の継承▽福知山公立大学の教育研究の充実▽する・みる・ささえる生涯スポーツの推進▽既存企業の成長促進と企業の誘致・定着の促進▽産官学金連携を通じた経営力の強化▽新産業の育成と起業支援の充実▽スマート農林業及び稼げる農林業、環境に優しい農林業の推進▽持続可能なまちづくりに向けた公共施設の再配置▽地域価値向上を図るための公有財産の利活用▽道路等の適切な維持管理と、国や府との連携による道路網の整備▽計画的な上下水道施設の整備▽豊かな生活空間の整備▽居住地の浸水対策、治水・治山対策−など。
主な成果指標として、▽交通空白地における地域交通手段整備数▽空き家情報バンク制度を通じて移住してきた人数▽定住促進住宅の入居率▽消防団員の定員充足率▽再生可能エネルギー自給率▽ZEH普及件数▽景観計画における重点地区の指定▽保育施設等未入所(待機)児童数▽市内事業所の新規雇用者数▽長田野工業団地における投資件数▽長田野工業団地アネックス京都三和における分譲区画数▽工業団地と市内企業の受発注金額▽NEXT産業創造プログラムに係る起業数・事業提携数・企業内起業数▽創業支援機関の支援による創業者数▽市の支援等を通じた中心市街地における新規出店者数▽(公共施設の最適化)公共施設の削減延床面積▽長寿命化事業実施件数▽民間と連携した公共施設の利活用件数▽施設、サービスの複合化・集約化の実施件数▽道路舗装補修計画の延長▽橋りょう点検実施数▽水道管路の耐震化率▽総合的な地震対策計画に位置づけた下水道施設の耐震化率▽つつじが丘・向野団地建替事業進捗率▽市管理河川における浚渫を実施した河川数▽手入れがされていない人工林面積−などを例示した。
市民懇談会の提案では、働く場の確保について、若年層が福知山に帰ってきたい、住み続けたいと思うには、魅力ある仕事があるかどうかが重要とし、福知山の住みやすさや大学の力を活かした企業誘致、または自宅や市内で自分のスキルを活かした事業を興すこと、新しいフリーランスなどの働き方に踏み出すことへのハードルを下げ、働く場をつくることなどを提案した。
なお、同市は「(仮称)まちづくり構想 福知山」策定支援業務について、公募型プロポーザル方式で業者選定し、令和2年11月に一般社団法人構想日本(東京都千代田区)を選定した。