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建設経済新聞社
2021/10/21

【京都】新・府営水道ビジョン策定 令和4年秋に中間案、5年春にまとめ

 京都府は、新しい府営水道ビジョンについて、令和4年秋頃に中間案を固め、令和5年春頃までに最終案をまとめ公表する考え。
 新ビジョンは、持続可能な府営水道事業のための目標や取組方策を記載し、地域水道ビジョン(厚生労働省策定要請)及び経営戦略(総務省策定要請)に対応するもの。
 20日開催の新・京都府営水道ビジョン検討部会に示した新ビジョンの構成案によると、T・事業展開の方向性(▽現状と課題認識▽基本理念(受水市町とともに、安心・安全な水を安定的に供給し続けられる水道事業を構築)▽10年後のあるべき姿)、U・事業展開の基本的な考え方(▽取組推進時の着眼点〜安心・安全、持続、連携)、計画期間、位置付け)、V・事業目標及び取組方策(以下、◎は長期目標、○は計画期間目標。[安心・安全](◎危機管理対策の推進強化、○リスク対策の促進、災害発生時の対応スキル向上、○応援受援体制の強化、◎様々なリスクに対応する施設強靭化、○管路及び浄水施設の耐震化率の向上、○水道施設整備方針の合意、◎安心・安全のための水道システムの充実、○水質リスクへの対応強化)、[持続](◎既存施設を最大限活用した水道施設の整備、○水道施設整備方針の合意、◎経営基盤の強化、○適正な料金水準の維持、○経営形態の検討、○業務の共同化・広域化など広域連携の推進、○建設負担水量の調整、○環境に配慮した経営の推進、◎経営状況の改善、○資金残高の確保、○企業債残高の削減、◎人材の確保、○事業運営に必要な人員の確保、人材育成)、W・ビジョンの進捗管理(▽フォローアップ)。
 計画期間は令和5年度〜13年度まで。
 このほか、検討部会では、新ビジョン策定に係る受水市町のヒアリング結果についても報告した。
 府営水道と受水市町全体の施設の適正規模と配置のあり方について「各施設の維持管理費や統合時期等を明確化し、具体的な議論の展開を望む」「検討にあたっては、施設統廃合による市町毎の供給単価、費用削減効果など、メリット・デメリットを提示してほしい」「統廃合方針により継続するとされた施設は、実際に統合されるまでに必要な維持管理等の費用負担もあり方検討が必要」「今後の広域化検討において、府が中心となり責任を持って進めないとまとまらない」、府営水道と受水市町全体の水道事業の経営形態や運営、人材確保等のあり方について「将来的に事業統合を進めることを前提に議論をしていくのがよい」「事務量やコスト縮減を可能とするような広域化は積極的に進めるべき」「府営水道だけでなく、末端給水について豊富なノウハウがある京都市との連携も必要」「企業団化等で事業体規模を大きくし、スケールメリットを活かした職員採用や一般行政部門から独立した人材確保策が必要」、建設負担水量の全体の水量調整を行うにあたっての留意すべき点について「当初の要望水量を根拠として決められた負担割合には妥当性があるため、負担割合を維持した上で水量を見直し、実受水量と建設負担金の乖離を圧縮してほしい」「日最大給水量や府水受水量等の実績に応じた水量で調整し、定期的な見直しをすべき」、水質管理の更なる強化について「料金も統一され、広域水運用の更なる充実のため、水質の均質化(木津浄水場への高度処理導入)を進めるべき」などの意見があった。