日本工業経済新聞社(群馬)
2021/10/19
【群馬】前橋市の福祉作業所および夜間急病診療所の実施設計をまとめる
前橋市はCCRC事業で移転新築を実施する、福祉作業所および夜間急病診療所の実施設計をまとめた。福祉作業所はS造2階建て、延べ床面積1483・54uとなっており、建築工事費6億7000万円。夜間急病診療所がS造2階建て、延べ床面積2149・11uの規模、建築工事費は10億8000万円を見込む。2022年度早々に各施設の入札事務に着手。それぞれを個別に発注する見通しで、いずれも9月議会に契約議案を上程する。施設規模を考慮すると建築・電気・機械の3分離発注が濃厚となる。
朝日町の赤十字病院跡地を活用する前橋版生涯活躍のまち(CCRC)では、市が福祉作業所や夜間急病診療所、エリア内道路、公園などを整備する。福祉作業所および夜間急病診療所の基本・実施設計は一括して石井設計(前橋市)が担当。このほど、同業務が完了となり、両施設の詳細が明らかとなった。
両施設はCCRCエリアの北東側8000uに整備する。並んで立地するものの、それぞれが独立した建物となっている。両施設ともに10kWの太陽光発電を導入する。非常用発電設備を2施設で共有し、災害に備える。21年は境界フェンスの設置工事を計画、すでに指名通知しており、27日に開札となる。
22年4月から建築工事の入札事務に着手。各施設を個別の案件として扱うことになりそう。9月議会で契約議案を諮るため、6月ごろには工事を公告する見通し。建物の規模や事業費、過去の発注実績などを考慮すると、建築・電気・機械の3分離発注を採用する可能性が高い。10月に現場入りし、23年10月の完了を目指す。また、23年7月から24年1月に掛けて、駐車場や外灯などの外構工事を実施するながれ。いずれも24年1月に竣工し、夜間急病診療所は医療機器の搬入後に開院。福祉作業所は4月から供用を開始する予定となっている。
【福祉作業所】
S造2階建て、延べ床面積1483・54u、1階が749・47u、2階は734・07uの内訳。建築面積が827・47uとなっている。建築工事費は6億7000万円を見込む。
1階には障害のある人が軽作業など就労訓練を行う就労継続支援B型のスペースを確保。このほか、地域活動支援センターやデイルームなどで構成する。デイルームおよび浴室には床暖房を設置。浴室は一般浴と機械浴に対応する浴槽を採用した。一般的なトイレのほかに多目的トイレを随所に配置する。
2階には職員の会議や研修、CCRCのコミュニティスペースとして利用可能な会議室を整備。また利用者が体を動かす場として機能する機能訓練室を設ける。バリアフリーの観点からエレベーター1基を設置する。
【夜間急病診療所】
既存施設の老朽化に伴って移転新築を実施。新施設の建物規模は、S造2階建て、延べ床面積2149・11u。1階が1127・84u、2階は1021・27uとなっている。建築面積は1280・56u。建設工事費は10億8000万円を想定している。
1階の医療診療所は診察室8部屋を確保。また、一般患者とは別の動線で対応可能な感染症患者診察室も新設する。このほかレントゲン室や調剤室を備える。
2階は主に前橋市歯科医師会の事務局が利用。常務会室や理事会室、サロンなどを設ける。歯科診療所の診療ユニットは3台配置する。このほか供用の会議室を設ける。
男女トイレと多目的トイレを各階に整備。車いすにも対応可能な15人乗りエレベータを設置する。