名古屋市緑政土木局は10月14日、鶴舞公園のPark―PFI事業提案で、候補者を矢作地所を代表者とするグループ(鶴舞公園整備運営事業JV)に決めた。12月上旬に公募設置等計画の認定と基本協定を結ぶ予定だ。
鶴舞公園整備運営事業JVは、矢作地所の他、日比谷花壇、電通名鉄コミュニケーションズ、ホーメックス名古屋支店、ヤハギ緑化で構成する。
提案概要によると、全体方針に「誰もがふらりと立ち寄れる引力のある公園」を目指し、「賑やか」「ゆるり」「つながり」「まなび」「歴史・文化」「進化」の六つを創出するとしている。
収益施設を設けるのは、正門広場(正面南)と秋の池エリア、熊沢山の3エリア。
正面南エリアは、カフェ、レストラン、子どもの遊び場、鶴舞中央図書館と行き来できる園路や自転車駐車場を整備する。秋の池エリアは、テラス席のあるカフェ、グローサラント型店舗、ユニバーサルデザインの休憩所・トイレを設ける。また、熊沢山エリアは、ベンチなどを設けて市民交流の拠点にする。
公園全体の魅力向上では、地域住民や周辺施設と連携、新たに整備する施設と歴史ある施設を一体にして魅力を高める方針。無料Wi−Fiスポットや、案内地図サインの更新、名木のライトアップ、誘導照明灯の整備などを行う計画。
選定委員会(会長・丸山宏名城大学名誉教授)の講評は、提案内容が日常利用に加え季節ごとの催事など非日常の利用を促進させ、バランスのとれた構成になっていると評価。整備に当たっては、既存の大径木などの植栽を尊重し、造園設計と建築物の意匠を含めた景観計画、植物管理を含めた施設の維持管理で整合性を高める検討を行い、文化財の価値の保全と認知の向上に十分に配慮して整備・運営管理を行うことなどを意見として求めた。
公募には、同グループの他、鶴舞公園SATOYAMA推進コンソーシアム(代表者・蔦井)、前田建設工業グループの3グループが応募した。
提供:建通新聞社