岬建設の宮川善大さんが、21年度優秀施工者国土交通大臣顕彰(建設マスター)に輝いた。優秀な技能・技術、後進の指導や育成への多大な貢献が評価された。
宮川さんは今回の受賞について「まさか自分が、というのが正直なところ。新聞に名前が載った後、たくさんのメールやLINEをいただいた」と反響の大きさに驚いた様子。また、日ごろから支えてくれる会社や業界関係者への感謝も忘れない。
これまでで印象深い現場としては、06年度に福井県の土木部長賞にも輝いた「道路改良工事(地域連携推進)(国道)その7工事」を挙げる。同社の地元、越前町梅浦での工事で、当時について「コンクリートのボリュームも大きく大変な工事だったが、役所の方とコミュニケーションをしっかり図りながら、良いものを完成させることができた」と振り返る。
コンクリート工事については「携わる人間とか気温など、条件は全く同じはずなのに、出来上がりが同じになることは滅多にない」とし、その難しさを強調した上で「その分だけ本当に面白いし、上手くいった時の達成感も大きい」と魅力を語る。
建設業の課題としては、何よりも若手入職者の確保を挙げる。「年齢的には若手を指導する立場にあるが、指導する若手が少ない」と現状に苦笑い。大きな課題の解決に向けては「若い人の話を聞くと、給料よりも休日を重視している。土木科を卒業して製造業に就職してしまう人が多いのも、その辺りが原因ではないか」と分析する。
ただ、休日については「自分の感覚では、明らかに昔に比べて休みは増えている」とし、建設業が3Kから脱却しつつあることを実感。そんな中で自身の息子が2人とも建設業の道に。「やはり、うれしいもの」と顔をほころばせた。
みやがわ・よしひろ/54歳コンクリート工/越前市在住