彦根市は、文化庁の文化観光推進事業を受け、金亀町地先の「彦根城博物館」について、機能向上と活性化に向けた一部リニューアル事業に取り組む。去る9月補正予算に措置した委託料で、早ければ10月中にもリニューアル基本計画策定の公募型プロポーザルを公告したい考えだ。11月中にも業者選定から年度末までかけて基本計画を策定し、提案の規模・仕様によるが22年度(令和4年度)は実施設計を提案者もしくは別途発注で委託し、23年度(令和5年度)から24年度(令和6年度)の2ヵ年でリニューアル工事を行いたい方針だ。
今月中をメドに公告するプロポーザルでは、あらかじめ文化庁長官の承認のもと国宝・重要文化財の公開が出来る「公開承認施設」レベルの博物館や美術館の設計実績を参加資格としたい方針。委託費の上限は去る9月議会で補正措置した委託料220万円。11月後半にもプレゼンから決定通知、12月から今年度末までかけて基本計画を策定したい考え。
リニューアルは、ホール・受付・ミュージアムショップと中央にある「能舞台」周りの建物一部を対象に、能舞台周りにパーテーションを整備し外気の流入を遮断することで博物館の文化財保存環境の向上を図ると共に、ホール・受付・ミュージアムショップや薄茶席等をリニューアルし観光も見据えた活性化を図る。市では、極力休館せず整備を進めたい考えで、パーテーション設置に1ヵ年、ホール周り整備に1ヵ年必要とみている。
彦根城博物館(金亀町1番1号)は87年(昭和62年)、市制50年を記念し彦根城の表御殿跡地に建てられた博物館。藩の政庁であった「表御殿」を模した館内には博物館としては珍しい「能舞台」があり、彦根藩主・井伊家に代々伝わる美術工芸品や古文書などを保存・展示。収蔵資料は9万1000件を超える。
提供:滋賀産業新聞