日本工業経済新聞社(群馬)
2021/10/11
【群馬】太田西複合拠点公共施設建設事業の進捗
太田市は新田金井町地内に計画する(仮称)太田西複合拠点公共施設の建設に向けて、施設配置などの構想について、市民とともにワークショップを開催し、進めている。2021年度は並行して、基本・実施設計を平田晃久建築設計事務所(東京都港区)が担当。ワークショップの市民意見を参考にして設計をまとめている。工事は22年度に着手し、2カ年で進め、24年度の供用開始を目指すスケジュールとなる。
複合施設は新田庁舎や新田図書館の老朽化に伴い建設する。施設は新田金井町にある新田庁舎周辺エリアの約2万5000uに、延べ床面積3300u規模で計画。図書館や保健センターなどのほか、子育て支援スペースや市民の交流スペース、カフェや物販といった商業施設などを想定している。敷地北側は太田土地開発公社が取得済みで、これから太田市が買い戻す予定となっている。新田庁舎については、工事完了後に解体する。
ワークショップは平田晃久建築設計事務所と国際開発コンサルタンツ(東京都文京区)とともに開催。両設計事務所はともに太田市美術館・図書館の建設時にもワークショップを開催している。
21年度はすでに3回のワークショップを開催。5月31日の第1回は設計チームの紹介や計画案の発表を行った。第2回は具体的な施設配置を7月3日に行い、A案〜D案を提示。延べ床面積3580u、緑地面積2180u、保健センター800u、事務室200u程度の規模の案が選ばれた。建物形状はリング状となり、中心部の吹き抜けを大きく取る案となる。
10月3日のワークショップでは図書館内部の機能を中心に意見を出し合った。太田市美術館・図書館と同様に新聞や雑誌などが読めるスペースや、市民ギャラリーの設置を望む意見が出ている。
12月にこれらの意見をまとめ、最後のワークショップを開催する予定で、その際にこれまでの市民の意見をもとにした設計案の報告および屋上部分や外構部分についての意見を募る。
平田晃久建築設計事務所が進める設計業務の履行期間は22年3月31日までとなるが、新型コロナウイルスの影響でワークショップの開催時期が遅れたため、数カ月の延長となる可能性もある。