静岡県熱海市で起きた大規模土石流災害を受け、県土整備部は県内盛り土を対象にした緊急点検結果を7日までにまとめた。何らかの異常が認められた19カ所を確認。県が管理する施設については早急に対策工に着手する。
熱海市の災害を踏まえ、同部は土砂災害警戒区域の上流部に盛り土してある道路など188カ所を抽出。7月末から排水処理状況など危険性を調査していた。
この結果、計画以上の高さに盛り土していた不適切な事例はなかった。ただ、7月豪雨などの影響で水路が浸食され、対策が必要なカ所19現場が見つかった。うち若桜町舂米の国道482号では盛り土法尻の水路基礎が浸食を受けていた。
併せて同部は、保全人家などがある急傾斜地100カ所を点検。小規模な崩落など変状のあった26カ所を確認したものの、緊急性はいずれも低かった。
対策が必要な盛り土19カ所について、同部は「9月補正の緊急対策事業9000万円を活用して対策に取り掛かりたい」(技術企画課)と説明。県が管理する道路では9月補正後に対策着手する。一方、市町村施設については管理者に対し対応を要請している。
日刊建設工業新聞