国土交通省四国地方整備局の事業評価監視委員会(委員長・橋本親典徳島大学大学院教授)は、9月29日に開いた2021年度の初会合で、「国道55号桑野道路、福井道路」を重点審議、「国道33号越知道路(2工区)」を要点審議し、いずれも四国地整が対応方針として示した事業継続について「妥当」と判断した。
国道55号桑野道路と福井道路は、徳島県阿南市内で連続した区間として整備する。桑野道路は11年度に事業化し、20年度に着工した。事業区間は阿南市下大野町渡り上がり〜内原町桜木で延長6・5`、標準幅員12b、2車線。用地取得率84%、事業進捗率12%となっている。道路工事の内水影響を考慮して盛土構造から橋梁へ変更したり、軟弱地盤対策などを追加したりするため当初計画に対して事業費を90億円増額。三倉地区の盛土区間約400bを三倉高架橋として整備する。下大野地区、明谷地区、内原地区でも橋梁を延長する。今後、設計や工事に本格的に着手する。全体事業費は430億円を見込む。
福井道路は12年度に事業化し調査設計や用地買収を進めてきた。今後、工事に着手する。区間は阿南市内原町桜木〜福井町小野で延長9・6`、標準幅員12b、2車線。用地取得率58%、事業進捗率8%。福井道路も盛土構造から橋梁への変更、軟弱地盤対策などのため事業費が19億円増加し、全体事業費に385億円を見込む。
国道33号越知道路(2工区)は、高知県越知町越知丙〜越知丁の延長3`で、地滑りや落石など危険性の解消や、線形不良箇所を回避するための整備を行っている。3月時点での用地取得率は98%、事業進捗率は58%。道路改良や橋梁工事、トンネル工事を行っている。順調なら、延長1・8`のバイパス区間を22年度に開通させる。
トンネル内の蛇紋岩を含む区間のトンネル支保構造の増強や掘削補助工法の追加、アスベスト対策などのために事業費は12億円増の182億円を見込む。今後、新今成トンネル(延長962b)、新横倉橋(橋長195b)、現道拡幅などの工事を進める。
提供:建通新聞社