県土木部発注工事の入札で、2020年度に電子くじで落札決定した割合が29・4%に上ったことが監理課への取材で明らかになった。入札総数3019件のうち、同額抽選が行われたのは889件。辛うじて2割台に収まったものの、前年度から1.7ポイント増加した。工種別では、毎年度高い発生率にあるとび・土工が8割台まで増え、依然突出している。
データは開札日ベースで集計。漁港漁場課(商工労働水産部)の発注分を含めて算出した。
近年の発生率(全体)をみると、18年度まで3割台で推移してきた数字は19年度に2割台(27.7%)まで減少。15年度(36.2%)と比べると1割近く回復していたが、20年度は若干後戻りした。
工種別では、土木、舗装とも減少基調。20年度は土木が19.9%(1712件中340件)と1割台に入り、舗装も22%(441件中97件)に減少した。いずれもこの5年間で10ポイント前後回復したことになる。
ただ、毎年度高い発生率にあるとび・土工は、これまでの6〜7割台からさらに上昇して、20年度は84.5%(335件中283件)まで達した。土木と比べて発注件数が伸びていないことも要因の一つと考えられる。
積算精度が向上する中、最低制限価格付近に集中した応札の傾向は本県に限らず、全国で見受けられる。近年ではコンサル系での発生率も目立ち、発注者側も得策を見いだせない状況が続く。
「どうせ今回もくじ引きだし…」。こうした業界の声を見届けるしかないのは何とももどかしい。