国交省と県は公共事業労務費調査(令和3年10月調査)を今月から実施する。県内の設計労務単価は全国最低レベル。県は「調査に対する理解不足が一因では」(技術企画課)とみて、労務単価の上昇に向けて調査票への正確な記入をポイントに挙げている。
県内の主要10職種平均単価は全国で最も低い。「普通作業員」の場合、隣県の島根県に比べて1200円もの差が開いている。5000万円規模の一般的な道路改良工事に換算すると、工事費は0・6%上昇する。
「特殊」「普通」「軽作業」といった作業員の職種分類でも、誤って技能労働者に組み入れると労務単価を引き下げる要因になる。
各種手当では、基本給以外の通勤手当やボーナスの臨時給与、ジュースなど実物給与も労務単価の対象で、漏れなく調査票に記入する必要がある。
また、所定労働時間を見直し、昼休憩以外に午前と午後、2回30分の休憩を反映することで作業員への支払賃金がアップするという。
県技術企画課は「労務単価の上昇は予定価格を引き上げ、ひいては建設従事者の処遇改善につながる」と、理解を求めている。
今年度の調査対象工事は170現場あまり。新型コロナ感染症対策で原則、書面によって調査する。県は現在、元請け企業に対し下請けを含めた対象企業名簿の作成を依頼しており、調査票は11月上旬までに作成。同中旬から12月中旬にかけて審査する。
日刊建設工業新聞