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北陸工業新聞社
2021/10/06

【富山】前田建設が初の出前講座/大久保小で耐震、SDGs説明

 前田建設(本社・富山市安住町7番14号、前田康夫代表取締役社長)は4日、同社主催として初となる出前講座を、富山市立大久保小学校で開いた。
 下大久保地内の同小学校では、前田建設・スター総合建設・牧野工業JVで、耐震補強工事が進められており、建設業の魅力や仕事内容、前田建設が推進するSDGsの取り組みなどを児童に知ってもらおうと企画。1年生から6年生までの全校生徒を対象として、9月24日から4日の6日間、各学年に応じたテーマで順次、出前講座を開催した。
 全6回の最終回となるこの日は、「校舎の地震の対策について」と題して実施し、4年生65名が参加。はじめに同校体育館で説明会を行い、前田建設専務取締役経営管理部長の前田誠氏が、小学校近辺のドローン空撮動画や同社のテレビCMおよび建築物の施工実績などを紹介し、「今日は耐震補強工事の目的とどんな人が働き、どんなことが行われているかの2つを知ってほしい」と話した。
 続いて、同校耐震補強工事の現場代理人である谷川竜太氏が、工事現場におけるSDGsの取り組みを説明し、「現場で発生したコンクリートや木くずなどの廃材はきちんと分別し、97%はリサイクルして、新たな物に生まれ変わっている」と述べ、ごみ分別の重要性を強調。耐震補強工事に関しては、鉄骨ブレースの役割を手作りの模型を使って分かりやすく説明したほか、免震構造と制震構造の概要も解説した。
 その後、児童は普段入ることができない校舎内の工事現場に移動。実際の施工状況を見たり、積極的に質問した。また、現場では入社2年目の柳田涼汰氏が、今の仕事に就いた経緯を説明した上で、「小学校時代の友達は一生の友達。私達が工事を行った校舎で、仲良くしてほしい」と話した。
 その後、体育館に戻り、前田専務が、「早寝早起き、給食を残さない、学校を大事に使うことは、すべてSDGsにつながる。工事現場も学校も世界もSDGsを合言葉につながることを覚えておいてほしい」と訴え、「ちょっとでも建設業に興味を持ってくれた人はいますか」と質問すると、男女問わず、たくさんの子供たちが挙手で応じた。
 出前講座を終え、前田専務は「弊社で取り組んでいるSDGsと、小学校で学んでいるSDGsはリンクする部分がたくさんあり、学ぶ意義を見い出すことができる出前講座になればと企画した。最終的には求人につながることが理想だが、建設業界全体のイメージアップや社員の意識改革にもつながることを期待している」と話し、「この現場の工期である来年3月11日までに、もう1回出前講座を開催できれば」との抱負を語った。
 なお、この日は耐震補強工事の設計、工事監理を担当している北電技術コンサルタントの伏木里英子氏、齋藤千晶氏も同行した。

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